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直流回路

オームの法則

オームの法則。電圧は電流と抵抗の積

オームの法則とは電気回路で二点間の電圧はそこに流れる電流に比例する。電圧は電流と抵抗の積で表される。

$$V=RI。電圧[V]=抵抗[Ω]×電流[A]$$

$$電力[W]:P=VI=RI^2$$

合成抵抗

複数の抵抗が一つであった場合の抵抗値の計算方法。多くの場合直列接続と並列接続の複合型なので、それぞれの計算方法がわかっていれば多くの電気回路の合成抵抗が計算できる。

直列接続

直列接続の合成抵抗。抵抗値の和

抵抗が直列に接続されている場合は、各抵抗値の和で合成抵抗があらわされる。

電流はどの抵抗も同じものが流れる。電圧は抵抗に応じて分配される。

$$R=R_1+R_2。V=V_1+V_2。I=\frac{V}{R}$$

$$V_1=\frac{R_1}{R_1+R_2}V、V_2=\frac{R_1}{R_1+R_2}V$$

並列接続

並列接続の合成抵抗。抵抗値の逆数の和が合成抵抗の逆数

抵抗が並列に接続されている場合は、合成抵抗の逆数が各抵抗値の逆数の和で表される。

電流は抵抗値に応じて分配される。電圧はどの抵抗にも同じものがかかる。

$$\frac{1}{R}=\frac{1}{R_1}+\frac{1}{R_2}、R=\frac{R_1R_2}{R_1+R_2}$$

$$I=I_1+I_2、I_1=\frac{R_2}{R_1+R_2}I、I_2=\frac{R_1}{R_1+R_2}I$$

2009年理論問6

$$直列接続の合成抵抗 R_1 + R_2 = \frac{30[V]}{6[A]} = 5[\Omega]$$ $$並列接続の合成抵抗 \frac{R_1R_2}{R_1+R_2} = \frac{30[V]}{25[A]} = 1.2[\Omega]$$ $$R_2 = 5 - R_1 を並列接続の合成抵抗の式に代入 $$ $$\frac{R_1(5 - R_1)}{R_1+5 - R_1} = 1.2, R_1^2 -5R_1 + 6 =0$$ $$R_1 = 2,3 ,R_2 = 3,2 よってAns(4)$$

2010年理論問5改

1.図の直流回路においてR=20[Ω]の場合の回路の合成抵抗を求めよ。

$$30 + \frac{12 \times 20}{12 + 20}=37.5[\Omega]$$

2.12[Ω]の抵抗の消費電力を求めよ。

$$抵抗30[\Omega]に流れる電流I_{30} = \frac{90}{37.5} = 2.4[A]$$ $$抵抗12[\Omega]に流れる電流I_{12} = \frac{20}{12 + 20} \times I_{30} = 1.5[A]$$ $$消費電力は、12 \times {1.5}^2 = 27[W]$$ $$$$

キルヒホッフの法則

電気回路における電流と電圧の総和の法則。

キルヒホッフの法則

第一法則:任意の節点に流入する枝電流の和は0。ある点に対して入ってくる電流の総和と出ていく電流の総和は等しい。
$$I−I_1−I_2=0$$

第二法則:任意の閉路において、閉路の沿った枝電圧の和は0。一筆書きできる電気回路の一部分では電圧の総和が0になる。

$$V=R_1 I_1、0=(R_2+R_3)I_2−R_1I_1、V=(R_2+R_3)I_2$$

2008年理論問7

$$\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} I_1 = I_2 + I_3\\ 4I_1 + 5I_3 -4 =0\\ 2I_2-5I_3 -2 = 0\nonumber \end{array} \right. \end{eqnarray}$$ $$連立方程式を解くと、I_1 = 1, I_2 = 1, I_3 = 0。 Ans(3)$$

2013年理論問6 閉回路に閉路電流を図示

$$閉路に還流する電流I_1,I_2,I_3を図のように定義。I_2を求める$$ $$\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} 60 = 40I_1 + 40(I_1 - I_2)\\ 0 = 10I_2 + 60(I_2 + I_3) + 40(I_2 -I_1)\\ 80 = 60I_3 + 60(I_3 + I_2)\nonumber \end{array} \right. \end{eqnarray}$$ $$式を変形して\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} 60 = 80I_1 -40I_2\\ 0 = 110I_2 + 60I_3 - 40I_1\\ 80 = 120I_3 + 60I_2\nonumber \end{array} \right. \end{eqnarray}$$ $$連立方程式を解いてI_2 = -\frac16$$ -が付いてるので設定の電流の向きが逆 $$消費電力は 10 \times (\frac{1}{6})^2 = 0.28[W] . Ans(1)$$ $$$$ $$$$ $$$$

ブリッジ回路

ブリッジ回路

$$ブリッジ回路の平衡条件:Ia = 0の時$$

$$R_1R_4 = R_2R_3$$

2007年理論問6

$$平衡状態なので、2R_4 = 8R_3→R_4 = 4R_3$$ $$合成抵抗は、\frac{E[V]}{\frac{E}{4}[A]} = 4$$ $$= \frac{2 \times 8}{2 +8} + \frac{4R_3^2}{R_3 + 4R_3}$$ $$R_3^2 = 3R_3 R_3 \ne 0 なので、$$ $$R_3 = 3。Ans(3)$$ $$$$

2015年理論問6

スイッチを開閉しても電流が変わらないので、平衡状態。スイッチに流れる電流は0 $$合成抵抗は\frac{100[V]}{30[A]} = \frac{10}{3}[\Omega]$$ $$スイッチが閉じている時、R_3,R_4の合成抵抗は、\frac{10}{3} - \frac{8 \times 4}{8+4}$$ $$\begin{equation}= \frac{2}{3} = \frac{R_3 \times R_4}{R_3 + R_4} \tag{@} \end{equation}$$ $$平衡条件より \begin{equation}8 R_4 = 4 R_3 → 2R_4 = R_3 \tag{A} \end{equation}$$ $$@、Aより、R_4 = 1[\Omega]。Ans(2)$$ $$@の代わりに、スイッチが開いている場合の電流$$ $$30[A] = \frac{100}{8 + R_3} + \frac{100}{4 + R_4}を用いてもよい $$

重ね合わせの理

回路中に電圧源E1,…,Em、電流源J1,…,Jnがあるとき、回路中の任意の電圧・電流は次の(m+n)この場合に対する解を加え合わせれば得られる。

(E1=E1,E2=0,…,Jn=0),(E1=0,E2=E2,…,Jn=0),…,(E1=0,E2=0,…,Jn=Jn)E=0:短絡、J=0:開放

2018年理論問7

$$スイッチが開いている場合 I_R = I = 2[A]$$ $$スイッチが閉じている場合 I_R = 2I = 4[A]$$ $$スイッチが閉じている場合のI_Rは、低電圧源Eを短絡した場合の電流I_{RI}と$$ $$定電流源Iを開放した場合の電流I_{RE}との和になる。$$ $$I_{RI} = \frac{r}{r+R}I = \frac{2}{1+R}$$ $$I_{RE} = \frac{E}{r+R} = \frac{10}{1+R}$$ $$I_R = I_{RI} + I_{RE} = \frac{2}{1+R} + \frac{10}{1+R} = 4 → R = 2$$

2008年理論問7

2[V]の電源を短絡した回路と4[V]の電源を短絡した回路に分ける。それぞれの回路で求めたI1,I2,I3を足し合わせると元の回路の電流になる。I3の向きに注意する。

$$合成抵抗は4 + \frac{2 \times 5}{2+5} = \frac{38}{7}$$ $$I_1 = 4 \div \frac{38}{7} = \frac{14}{19}$$ $$I_2 = \frac{14}{19} \times \frac{5}{7} = \frac{10}{19}, I_3 = \frac{14}{19} \times \frac{2}{7} = \frac{4}{19}$$ $$$$ $$$$ $$$$ $$$$

$$合成抵抗は2 + \frac{4 \times 5}{4+5} = \frac{38}{9}$$ $$I_2 = 2 \div \frac{38}{9} = \frac{9}{19}$$ $$I_1 = \frac{9}{19} \times \frac{5}{9} = \frac{5}{19}, I_3 = \frac{9}{19} \times \frac{4}{9} = \frac{4}{19}$$ $$二つの回路の電流を足し合わせると、I_1 = \frac{14}{19}+\frac{14}{19} =1,$$$$ I_2 = \frac{10}{19} + \frac{9}{19} = 1, I_3 = \frac{4}{19}-\frac{4}{19} =0。 Ans(3)$$

テブナンの定理

テブナンの定理

N0とNは独立した回路で、N0には内部電源を持ちNにはない。$$N0とNをつなぎN0からNに流れる電流Iは\frac{V_0}{Z_0+Z}$$

$$V_0はN0の開放電圧、ZはNのインピーダンス、Z_0はN0の内部電源をなくした状態でのインピーダンス。$$(インピーダンスは電圧と電流の比。直流回路だと抵抗)

使用例

$$電流を求めたい部分で回路を分ける(N0とNに相当)$$

$$V_0を求める。$$

$$Z_0を求める。(N0内の内部電源をなくして合成抵抗を求める[電圧源は短絡、電流源は開放])$$

$$Zを求める。(Nの合成抵抗を求める)$$

$$電流I=\frac{V_0}{Z_0+Z}を計算する。$$

2013年理論問6

$$電流を求めたい部分(抵抗R)で回路を分ける$$

$$V_0 = \frac{60}{2} - \frac{40}{2} = 10$$ $$Z_0 = \frac{40 \times 40}{40 + 40} + \frac{60 \times 60}{60 + 60} = 20 + 30 =50$$ $$Z = R =10$$ $$I = \frac{V_0}{Z_0+Z} = \frac{10}{50 + 10} = \frac16$$ $$消費電力はRI^2 = 10 \times \frac{1}{6}^2 = 0.28[W] . Ans(1)$$ $$$$ $$$$

2018年理論問5

$$電流を求めたい部分(抵抗R)で回路を分ける$$

$$V_0 = E = 9V$$ $$Z_0 = \frac{0.1}{4} = 0.025\Omega$$ $$Z = R = 0.5\Omega$$ $$I = \frac{V_0}{Z_0+Z} = \frac{9}{0.025 + 0.5} = 17.143$$ $$消費電力はRI^2 = 0.5 \times 17.143^2 = 146.9[W] . Ans(2)$$ $$$$ $$$$

ノートンの定理

$$V=\frac{I_0}{Y_0+Y}$$

V:Nの端子間にかかる電圧。I0:N0単独の短絡電流(端子間を短絡)。Y0:N0内部電源を外した後の合成アドミタンス。Y:Nの合成アドミタンス(アドミタンスは電流と電圧の比。直流回路だと抵抗の逆数)

静電容量とコンデンサ

並行板コンデンサの静電容量

$$Q=CV、C=\frac{Q}{V}.静電容量[F]=\frac{電荷[C]}{電圧[V]}$$

$$Q=σS.C=\frac{σS}{V}=\frac{εS}{d}.(E=\frac{σ}{ε}.V=E d =\frac{σd}{ε})$$σ:表面電荷密度[C/m2]、S:コンデンサの極板面積[m2]、d:極版間距離[m]、ε:比誘電率[F/m]、E:コンデンサ内の電界の強さ[V/m] $$静電エネルギーW = \frac12QV = \frac12CV^2 [J]$$ 2015年理論問1

$$(1) Q=CV →Q=C\frac{σd}{ε}→C=\frac{Qσ}{ε}\frac1d よって○$$ $$(2)Q=CV →Q=CE d=\frac{εS}{d}E d = εSE →E =\frac{Q}{εS}よって×$$ $$(3)Q=CV →Q=\frac{εS}{d}V →V=\frac{Q}{εS}dよって○$$ $$(4)V=E d  → E=\frac{V}{d}よって○$$ $$(5)Q=\frac{εS}{d}Vよって○$$ 2008年理論問2

$$W = \frac12CV^2 = \frac12(\frac{εS}{d})(\frac{E}{d})^2 = \frac12 ε E^ (Sd) = \frac12 ε E^ V $$ $$よってAns(4)$$ $$$$ $$$$ $$$$ $$$$ $$$$

$$比誘電率\varepsilon_S:真空中の誘電率\varepsilon_0との比 \varepsilon = \varepsilon_S \varepsilon_0$$ $$導体中の電界、電位差0(電荷が導体の表面に集まるため)$$ $$電束密度D = \frac{Q}{S}=\varepsilon E [C/m^2]$$

2009年理論問1改 2009年理論問1改

$$(ア)V=E d より、E_1 = \frac{V_0}{d},E_2 = \frac{V_0}{d}$$ $$(イ)D = \varepsilon Eより、D_1 = {\varepsilon_0\varepsilon_1}{d}V_0,D_2 = {\varepsilon_0\varepsilon_2}{d}V_0$$ $$(ウ)Q=CV,\frac{\varepsilonS}{d}(D = \frac{Q}{S})より、Q_1 = {\varepsilon_0\varepsilon_1}{d}SV_0,Q_2 = {\varepsilon_0\varepsilon_2}{d}SV_0$$ $$$$ $$$$ $$$$ $$$$

2014年理論問1

$$極板A-P間とQ-B間を別々のコンデンサと考える。両者の電荷Qは一緒。極板の面積をSとする。$$ $$C_{AP} = \frac{\varepsilon_r\varepsilon_0}{\frac12}, C_{QB} = \frac{\varepsilon_r\varepsilon_0}{\frac14}→C_{AP} = 2C_{QB}$$ $$Q=CVより2V_{AP} = V_{QB},V_{AP} =\frac{2}{3}V_0,V_{QB} = \frac13V_0$$ $$導体中の電位差0なので、V_P = V_0 - V_{AP} = V_Q = V_{QB} = \frac13V_0 。Ans(4)$$ $$$$ $$$$ $$$$

合成容量

複数のコンデンサが一つであった場合の合成静電容量の計算方法。多くの場合直列接続と並列接続の複合型なので、それぞれの計算方法がわかっていれば多くの電気回路の合成静電容量が計算できる。合成抵抗の時と違うので注意が必要。

直列接続

直列接続のコンデンサの合成容量。逆数の和が合成容量の逆数

どのコンデンサにも同じ電荷が貯まる。電圧は静電容量に応じて分配される。合成静電容量の逆数は各コンデンサの静電容量の逆数の和で表される。

$$V=V_1+V_2。Q=Q_1=Q_2。V_1=\frac{Q}{C_1} = \frac{C_2}{C_1 + C_2}V、V_2=\frac{Q}{C_2} = \frac{C_1}{C_1 + C_2}V。$$

$$\frac{1}{C}=\frac{1}{C_1}+\frac{1}{C_2}、C=\frac{C_1 C_2}{C_1+C_2}$$

並列接続

並列接続のコンデンサの合成容量。静電容量の和

二つのコンデンサにかかる電圧は一緒。電荷は静電容量によって決まる。合成静電容量は各コンデンサの静電容量の和。

$$Q_1=C_1 V、Q_2=C_2 V。Q=Q_1+Q_2 、C=C_1 +C_2 $$

2007年理論問4

$$直列接続の合成容量\frac{2C^2}{C+2C} = \frac23C$$ $$静電エネルギー\frac12\frac23C {V_1}^2$$ $$並列接続の合成容量3C$$ $$静電エネルギー\frac123C{V_2}^2$$ $$両者の静電エネルギーが等しいので\frac13{V_1}^2 = \frac32{V_2}^2$$ $$V_1 = \frac{3}{\sqrt 2}V_2$$ $$V_c = \frac23 V_1 → |\frac{V_c}{V_2}| = \sqrt2$$

2008年理論問5

$$図1でQ_1 = Q_2 V_1 = \frac{2}{4+2}6V = 2V,Q_1 = 2 \times 4 = 8[\mu C]$$ $$図2でQ_1 + Q_2 = 16[\mu C] V_1 = V_2,\frac{2}{2+4}Q_1 = \frac{4}{2+4}Q_2より Q_1 = 16 \div \frac{3}{2} = \frac[32][3]$$ $$V = \frac{32}{3} \div 4 = \frac{8}{3} Ans(3)$$ $$$$ $$$$ $$$$ $$$$

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