2019年12月に中国の武漢で原因不明の肺炎が報告され、2020年1月7日にその原因が新型のコロナウイルス(SARS-CoV-2)だと特定されました。日本でも2020年1月16日に初感染者が見つかり、1月27日には新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)が指定感染症に指定されました。
国内の感染者数は約1,320,000人、死者は約16,000人(2021年8月24日時点)です。蔓延状況や新型コロナウイルスの情報は時々刻々と変わっていきますので、公的サイトで新しい情報を得ていきましょう。
医学・疫学情報
(日本感染症学会)新型コロナウイルス感染症臨床対応・論文・症例報告
(国立感染症研究所)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連情報について疫学・変異株・検査情報
新型コロナウイルスSARS-CoV-2のゲノム分子疫学調査
(2020年4月時点)/(2020/7/16現在)/(2020年10月26日現在)/(2021年1月14日現在)
感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の新規変異株について
第1報(2020/12/22)/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11/12(2021/7/31)/13(2021/8/28)/14(2021/10/28)
SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統について(第1報)(2021/11/26)
日本内科学会雑誌:新型コロナウイルス感染症特集(2020年11月10日発行)
Principles of Epidemiology: Home|Self-Study Course SS1978|CDC
CDC 公衆衛生実践における疫学の原則(英語)
SARS-CoV-2新規変異株(Spikeタンパク質の変異)
変異株の特徴
N501Yの変異がある変異株従来株よりも感染しやすい可能性。英国や南アフリカで確認された変異株については、重症化しやすい可能性も指摘され ている。
E484Kの変異がある変異株従来株よりも免疫やワクチンの効果を低下させ る可能性が指摘されている。
第26回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和3年4月7日)資料4 新型コロナウイルス感染症(変異株)への対応等
日本で流行している変異株
D614G(欧州)2020年1月下旬頃〜流行。アルファ株に置き変わるまで長く主流株。SARS-CoV-2 D614G variant exhibits efficient replication ex vivo and transmission in vivo
[WHO label Alpha(アルファ株)]VOC-202012/01(B.1.1.7 英国)2020年9月20日頃〜流行。デルタ株に置き換わるまで主流株。N501Yの変異。
[WHO label Beta(ベータ株)]501Y.V2(B.1.351 南アフリカ)2020年5月〜流行。E484K, N501Yの変異。感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の新規変異株について (第5報)(2021/1/25)
[WHO label Gamma(ガンマ株)]501Y.V3(P.1 ブラジル)2020年11月〜流行。E484K, N501Yの変異。 ブラジルのマナウス地区の住民の76%が感染していたと推定されていたにもかかわらず、この変異株が流行。感染性の増加や再感染を起こさせる可能性が懸念されている。感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の新規変異株について (第6報)(2021/2/12)
hCoV-19/Japan/IC-0824/2021(フィリピン)2021/2/25まん延状況は不明E484K, N501Yの変異を有するB.1.1.28系統株。VOC-202012/01株と同様に感染力に関与するP681Hの変異あり。フィリピンからの入国者から検出された 新型コロナウイルスの新規変異株について
N501Yの変異はないがE484Kの変異がある変異株R.12020年12月上旬以降国内で検出。新型コロナウイルスSARS-CoV-2 Spikeタンパク質 E484K変異を有するB.1.1.316系統の国内流入(2021年2月2日現在)感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の新規変異株について (第8報)(2021年4月7日現在)
[WHO label Delta(デルタ株)]B.1.617.2(インド)2020年10月〜流行。日本では2021年3〜5月初検出。2021年8月時点の主流株。L452R、D614G、P681R変異を有する。E484に変異を有しているのがB.1.617.1。通称3重変異(インドの西ベンガル州で確認されているB.1.618)とは別。SARS-CoV-2の変異株B.1.617系統の検出について(2021年4月26日現在) 感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の新規変異株について (第11報)(2021年7月17日現在)
[WHO label Omicron(オミクロン株)]B.1.1.529(南アフリカ)2021年11月〜2022年初頭からデルタ株に置き換わり現在の主流株。デルタよりも世代間隔が短く(2日程度)感染力が強い。ほかの変異株より重症化リスクは低いとみられている。
SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統について(第1報)(2021/11/26)/(第2報)(2021/11/28)/(第3報)(2021/12/8)/(第4報)(2021/12/15)/(第5報)(2021/12/31)/(第6報)(2022/1/13)/(第7報)(2022/1/26)
SARS-CoV-2 B.1.1.529系統(オミクロン株)感染による新型コロナウイルス感染症の積極的疫学調査(第1報):感染性持続期間の検討(2022/1/5)/(第2報):新型コロナワクチン未接種者におけるウイルス排出期間(2022/1/13)/(第3報):新型コロナウイルス無症状病原体保有者におけるウイルス排出期間(2022/1/27)/(第4報):疫学的・臨床的特徴(2022/1/28)
第69回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年1月26日)資料4 新型コロナウイルス感染症(変異株)への対応等
「のどの痛みが多い」「嗅覚・味覚の異常は少ない」 新型コロナ オミクロン株の症状の特徴は?(2022/1/15)
オミクロン株の亜種"BA.2"について現時点で分かっていること 「ステルス・オミクロン」の意味とは?(2022/1/29)
法律
報道・公的情報
公的情報
(厚生労働省)新型コロナウイルス感染症について国民のみなさま向けの情報・国内の発生状況
(内閣官房)新型コロナウイルス感染症対策新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言の概要、基本的対処方針、対策本部等資料
首相官邸 新型コロナウイルス感染症に備えて 〜一人ひとりができる対策を知っておこう〜ワクチンについて・生活と雇用を守るための支援策
WHO Coronavirus disease (COVID-19) Pandemic
専門家の提言
新型コロナウイルス感染症対策 専門家会議の見解等専門家会議(2020/2/20~2020/5/29)
新型インフルエンザ等対策有識者会議新型コロナウイルス感染症対策分科会分科会(2020/7/6~2021/2/25)
新型インフルエンザ等対策推進会議基本的対処方針分科会(2021/4/1~)・新型コロナウイルス感染症対策分科会(2021/4/8~)
新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードの資料等厚生労働省 アドバイザリーボード(2020/2/7~)
報道
NHK 新型コロナウイルス特設サイト最新ニュース、ウイルスの特徴・対策の解説
症状
感染が確認された症状のある人の約80%が軽症。初期症状も発熱・咳・倦怠感・痰・嗅覚障害・味覚障害・息切れと特別なものはない。感染しても症状が出ない人も多く(4割程度)、軽症でも急に重症化(肺炎)するケースもある。高齢者や基礎疾患のある方が重症化しやすい。肺炎のほかに血液や血管の障害が現れることがある。またサイトカインストームと呼ばれる過剰な免疫反応に重篤な臓器障害を起こしたり、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)という重度の呼吸不全を起こしたりする。
潜伏期間は1〜14日(一般的には5日)。ただしオミクロン株は潜伏期が2-3日、曝露から7日以内に発症する人が大部分であると報告がある。感染力に症状の重さは関係なく発症の3日前から発症後5日くらいに人への感染力が強い。感染者の8割は人への感染させていなくて残りの2割がリスクの高い環境において多くの人に感染させている。
新型コロナの症状、経過、重症化のリスクと受診の目安は?(忽那賢志 2021/7/25)
Incubation period of COVID-19: a rapid systematic review and meta-analysis of observational research
治療法
2021年8月現在、重症化リスクの高い軽症者に使われてる中和抗体薬以外は対処療法のみ。効果が確認された抗ウイルス薬、抗炎症薬などが使われている。確たる治療法や十分な人々にワクチン接種が済むまで、医療崩壊しないように感染者数を増やさない戦略をとる。
症状、予防、経過と治療… 新型コロナウイルス感染症とは? 現時点で分かっていること(2021年5月)(忽那賢志)
新型コロナウイルス 治療薬・ワクチンの開発動向まとめ【COVID-19】(2021/8/20)
新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き版 第6.2版厚生労働省( 2022 年 1 月 27 日)
COVID-19 に対する薬物治療の考え方 第 8 版日本感染症学会(2021年7月31日)
ウイルス検査
新型コロナウイルス感染症病原体検査の指針2021年6月4日 第4版
COVID-19 診断・治療・感染対策(2020.11.15)
PCR検査
polymerase chain reaction(ポリメラーゼ連鎖反応)DNAの一部分だけを増幅して少量でも検査できる。ウイルス分離とは違い不活性ウイルスも検出される。また少量を増幅するため、他人に感染させるのに十分なウイルス量があるかもわからない。日本では変異しにくいウイルス内部のNたんぱく質の遺伝子の一部を検査のターゲットにしている。
PCR検査の感度は30〜70%、特異度90〜99%と言われている。感度は、陽性を正しく検査できる確率、特異度は陰性を正しく検査できる確率。感度が低いため有病率が低いと精度が悪いため、感染している可能性が高い患者を検査することが重要。
科学[工学・化学]感度と特異度
自宅で簡単PCR検査【Tケアクリニック】抗体検査
抗体は特定のウイルス等(抗原)を認識して結合するたんぱく分子。リンパ球のB細胞が生成。抗原に抗体が結合すると不活化させたり免疫細胞の目印になる。主に感染初期に作られるIgMと感染後期に作られ所謂(免疫)と呼ばれるIgGの二種類がある。抗体にはウイルスに効果があるもの、全く効果がないもの、ウイルスの手助けをするものの3種類がウイルスによって特異的に作られる。
迅速検査。抗原(ウイルスの一部分)を添加した検査キットに血液を滴下して、抗原と抗体が結びつくと色が変わり肉眼でわかる定性検査。免疫を獲得しているかの検査の場合、効果がある抗体を検査できるか、似た種類のウイルスの抗体ではないか注意する必要がある。
抗原検査
抗原はウイルスやその破片などの抗体ができる元。インフルエンザのような迅速診断キットは、検査キットに人工抗体がつけてあり、抗原と抗体の結合を検出する。
検体は鼻咽頭ぬぐい液・唾液。定量検査と簡易キット があり、簡易キットと無症状の場合は唾液で検査は推奨されていない。
予防
感染成立の連鎖
病因→病原巣→排出門戸→伝搬経路→侵入門戸→感受性宿主→病因→…
この連鎖のどこか一か所でも断ち切れば感染は予防できる
病因:病気の生物学的・科学的・物理的な要因。新型コロナウイルス。
病原巣:感染性因子が少なくとも生存することができ、条件がよければ増殖できる場所。患者。
排出門戸:感染性因子が宿主から出るときに通る身体部位。呼吸器・口腔
侵入門戸:感染性因子が宿主の組織に侵入するために通過する身体部位。呼吸器・口腔
感染経路:感染性因子が排出門戸を出てから侵入門戸にたどり着くための手段。飛沫(エアロゾル)感染、接触感染
感受性宿主:感染や発病を防ぐ力のない人や動物。
基礎から学ぶ医療関連感染対策(改訂第3版): 標準予防策からサーベイランスまで
感染経路
感染経路は接触感染と飛沫感染。感染しやすい環境(3つの密[密閉・密集・密接])では飛沫より細かい粒子(エアロゾル)が広範囲・長時間漂い、エアロゾルを含んだ空気を介して感染をする。主な感染経路は飛沫(エアロゾル)感染で、接触感染は限定的。
science Quantifying SARS-CoV-2 transmission suggests epidemic control with digital contact tracing
新型コロナの感染経路 いま分かっていること、いまできること( 坂本史衣 2021/5/8)
日本環境感染学会教育ツールVer.3(感染対策の基本項目改訂版)
新型コロナウイルス感染症に対する感染管理感染研(2021年8月6日)
感染拡大の流れ
若者が感染に気付かずに多くの人に広げ、高齢者施設や医療機関で重症者しやすいに感染し、症状がでて感染が発覚。海外や感染リスクの高い場所から感染の防ぎにくい場所へ広がる。
移動・行動が活発な若年層(10代後半-50代)でクラスター連鎖し拡大。若年層は重症化しにくいので感染が潜在化しやすい。
感染リスクの高い密接な接触を伴う飲食店(風俗店)で感染が拡大。店名をいいづらい等の理由でリンクがわかりづらく感染拡大を防ぎにくい。
無症状でも感染力がある点、このような生物的・社会的理由により感染が把握しづらく、感染拡大につながりやすい。クラスターの連鎖が起こること。非常に大規模なクラスター(メガクラスター)が起きてしまい、そこから2次的に多くのクラスターが生まれる状況。
クラスター報道件数推移2021年7月26日時点( 7月25日までの発生事例)第45回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和3年7月28日)押谷氏資料
COVID-19 case-clusters and transmission chains in the communities in JapanScienceDirect 11 August 2021
集団感染しやすい条件
「換気の悪い密閉空間)」 「多くの人が密集」 「近距離での会話や発声(密接)」の3つの密(3密)。 その対策は、 「こまめに換気を行う(可能であれば2つの方向の窓を同時に開ける)」 「人の密度を下げる(互いの距離を2メートル程度あける)」 「近距離での会話や発声などを避ける(やむを得ない場合はマスクをつける・短時間で済ませる)」クラスター発生が多い場所
接待を伴う飲食店病院
カラオケを伴う飲食店
職場(会議)
スポーツジム
バスツアー
高齢者施設
家庭内
感染リスクを高めやすい場面
飲酒を伴う懇親会大人数や深夜におよぶ飲食
大人数やマスクなしでの会話
仕事後や休憩時間
集団生活
激しい呼吸を伴う運動
屋外での活動の前後
人の移動に関する分科会から政府への提言 令和2年9月25日(金)
感染リスクが高まる「5つの場面」
飲酒を伴う懇親会等大人数や長時間におよぶ飲食
マスクなしでの会話
狭い空間での共同生活
居場所の切り替わり
分科会から政府への提言 感染リスクが高まる「5つの場面」と「感染リスクを下げながら会食を楽しむ工夫」 令和2年10月23日(金)
接触感染予防策
接触感染は物や体についていたウイルスを手で触り、その手で鼻や目や口を触ることによっておこる。手洗いやアルコールによる手指消毒、不潔な手で顔を触らない、マスクや眼鏡をして物理的に触らないようにするなどの対策がある。
手指衛生
手洗い
石鹸を使って15秒以上かけて洗う。指先、指の間、親指は洗い残しが多い部位。その後よくすすぐ。手荒れ防止のため、よく水分をふき取って乾かす・ぬめりがないぐらい石鹸泡をよく落とす・必要であれば保湿クリームを使う。
手指消毒
手指消毒薬(エタノール)を十分手に取り、まず指先にすりこみ、手が乾燥するまで(15秒以上かけて)手指全体にすりこむ。手が汚れているときは手洗いのほうが効果的。
環境消毒
頻繁に手を触れる場所を1日1回以上、界面活性剤(洗剤)、濃度60%以上のアルコール、濃度0.02〜0.05%の次亜塩素酸ナトリウムのいずれかを用いて拭き消毒する。
手洗い・手指消毒のなぜ・いつ・どうやって??( 坂本史衣 2020/9/2)
飛沫感染予防策
飛沫感染は感染者の咳やくしゃみ、呼気によって鼻汁や唾液(飛沫)が飛び散って、その飛沫が口や鼻などの粘膜につくことでおこる。飛沫は大きいのでだいたい数秒で2m以内に落ちる。、細かい飛沫(エアロゾル)は数秒から数時間2m以上先まで漂っている。予防法は咳エチケットを行う・マスクをつける、近距離で会話をしない、換気をよくするなどがある。
マスク
飛沫が出ないようにする目的とウイルスを吸い込むことを防ぐ目的があるが、前者が主な効果で、後者は限定的(適切に不織布マスクやN95マスクを装着すると効果あり)。換気の悪い場所、近距離(1m以内)で大声を出し合う場合などはマスクを付けていても感染リスクは高い。マスクの素材は多層の不織布が望ましい。次点で多層の布製(綿よりもポリエステル)、ウレタン製は性能はかなり劣る。
二重マスクは布やウレタンマスクだと一枚の不織布マスクに劣る。二重マスクにする場合は不織布マスクの上から大きめのマスクを覆い隠すように装着し、不織布マスクと顔との隙間をなくすようにすると感染防止効果が高くなる。快適性を優先するなら肌に負担のない布マスク等の上から不織布マスクを装着するようにする。不織布マスクの2重は空気抵抗が大きくなり横からの漏れが多くなるのであまり効果がない。
Effectiveness of Face Masks in Preventing Airborne Transmission of SARS-CoV-2
(理研)室内環境におけるウイルス飛沫感染の予測とその対策 2021年3月4日 記者勉強会 発表資料二重マスク
コロナウイルス飛沫感染に関する研究 〜マスクの効果と歌唱時のリスク検討〜
フェイスシールド・マウスシールド:
フェイスシールドは顔に飛沫が直接かからない効果があるが、感染症対策としてはマスクより劣る。マスクの着用の困難な人が使用する。また人と近距離で接する環境で人との間にアクリル板やビニールシートが置けない場合に使用する。その場合は不織布マスクを併用する。マウスシールドは感染症対策として効果があまりない。
新型コロナ対策 フェイスシールド・マウスシールドってどうなの?(坂本史衣 2021/5/8)
換気
換気の悪い場所は感染リスクが高い。2方向の窓をできるだけ開けて連続的に室内に空気を通す。1方向しか窓がない場合は、ドアを開けるか天井や壁の高い位置にある窓を追加で開ける。
フィジカルディスタンス
物理的距離。3密(密閉・密集・密接)回避。人との間を1m以上(できれば2m)とる。距離が取れない場合は、仕切りをつけるか、マスク等を着用する。換気の悪い場所では距離をとっていても感染リスクが高くなる。
いわゆる「飲み会」における 集団感染事例(2020年10月23日)
Two metres or one: what is the evidence for physical distancing in covid-19?
室内環境におけるウイルス飛沫感染の予測とその対策(理研 2021/6/23)
エアロゾル・空気感染
空気感染は5μm未満の飛沫核吸引による感染。エアロゾル感染は飛沫より細かい粒子を吸引による感染。飛沫はすぐに落ちるが、エアロゾルは長時間漂う。エアロゾルの粒子の定義は曖昧で飛沫核よりも大きな粒子も含む。
空気感染する感染症は三種類ある。結核のように空気感染しかしない絶対的空気感染。麻疹のようにほかの感染経路もある優先的空気感染。インフルエンザや新型コロナウイルスのように通常はしないが特別な環境下で感染する日和見的空気感染。
Airborne transmission of SARS-CoV-2Science 16 Oct 2020
Transmission of SARS-CoV-2: implications for infection prevention precautionsWHO 9 July 2020
ワクチンの種類
生ワクチン:弱毒化した病原体(ウイルス)をつかったワクチン
不活化ワクチン:不活化した病原体をつかったワクチン。シノバックのワクチンはこのタイプ。
ウイルスベクターワクチン:無毒性か弱毒性のウイルスベクター(媒介者)に抗原たんぱく質(スパイクたんぱく質)の遺伝子(RNA)を組み込んだ、組み換えウイルスを投与するワクチン。運び屋のウイルスが細胞に感染し、細胞内で新型コロナウイルスのスパイクたんぱく質をつくる。ベクターウイルスは感染しても細胞内で増えない。ウイルスを使うので効率良く入っていくというメリットがあるが、一度体内に入るとベクターウイルスに抗体を持つ欠点もある。アストラゼネカ(ベクター:チンパンジーアデノウイルス)やジョンソン&ジョンソン(ベクター:アデノウイルス(26型))のワクチンはこのタイプ。
mRNAワクチン:抗原たんぱく質を作る情報を持ったmRNAのワクチン。mRNAだけだと不安定ですぐ壊れてしまうので、脂質の膜に包み込むなどして安定化して使用する。新型コロナウイルスの一部(抗原たんぱく)の設計図であるmRNAが体内に入ると人間の細胞に取り込まれ、抗原たんぱくであるスパイクたんぱく質が生成される。スパイクたんぱくに対する抗体を免疫細胞が作る。ファイザー&ビオンテック、モデルナのワクチンはこのタイプ。
DNAワクチン:抗原たんぱく質の塩基配列を作る情報を持ったDNAのワクチン。遺伝子ワクチン。アンジェスのワクチンがこのタイプ。
組み換えたんぱく質ワクチン:ウイルスの構成成分である抗原たんぱく質を別の細胞で作ったワクチン。塩野義製薬やノババックスやサノフィのワクチンはこのタイプ。
(感染研)新型コロナウイルスワクチンの国内導入にあたって―mRNAワクチンとウイルスベクターワクチンの基本
FDA Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccine
CDC COVID-19 Vaccine: Helps protect you from getting COVID-19
こびナビ(CoV-Navi)新型コロナウイルス感染症やワクチンに関する情報を皆さんにお届けするプロジェクト
(厚労省)コロナワクチンナビ
新型コロナウイルスワクチン
接種の総合案内
新型コロナワクチン接種後に新型コロナウイルス感染症と診断された症例に関する積極的疫学調査(第一報)2021/7/21
mRNAワクチンの効果
ファイザー社のワクチンやモデルナ社のワクチンについては、発症予防効果については、 臨床試験において、95%程度のワクチン有効率が得られている。(2020年12月 アルファ株発生前)
諸外国で実施されている疫学研究等により、徐々に感染予防効果を示す 研究結果も報告されてきている。 、複数の疫学研究等において、感染予防効果に関して、 90%台のワクチン有効率が報告されている。
変異株の流行状況等によっては、感染予防効果を含めたワクチンの効果に影響を及ぼす可能 性がある。
現在の新型コロナワクチンの感染予防効果のエビデンス(令和3年6月23日)
新型コロナ デルタ型変異ウイルス 感染力、重症化リスク、ワクチンの効果など 現時点で分かっていること
(忽那賢志 2021年8月1日)
ワクチン接種が進む中で
日常生活はどのように変わり得るのか?
(分科会資料 令和3年9月3日)
感染状況に応じて講ずべき施策
分科会指標
ステージT:感染者の散発的発生及び医療提供体制に特段の支障がない段階
ステージU:感染者の漸増及び医療提供体制への負荷が蓄積する段階
ステージV:感染者の急増及び医療提供体制における大きな支障の発生を避ける ための対応が必要な段階
ステージW:爆発的な感染拡大及び深刻な医療提供体制の機能不全を避けるため の対応が必要な段階
新型コロナウイルス感染症対策分科会の提言について 令和3年4月15日(木)
主要都市人口10万人あたり・陽性率10%補正した感染者数推移
感染拡大予防ガイドライン
クラスター対策
「感染者・接触者・感染連鎖・クラスター連鎖は制御下に置けている限り大規模な地域流行につながらない」という新型コロナウイルス感染症の特徴による対策。感染者が判明した後その感染経路を追い濃厚接触者等を隔離したりその原因を探っていく積極的疫学調査。その調査を分析し原因を探り対策に役立てる。感染者数が多くなれば積極的対策を行い実効再生産数を減らす(0.5以下)。
COVID-19への対策の概念(2020年3月29日暫定版)
保健師のための積極的疫学調査ガイド [新型コロナウイルス感染症]
飲食店における感染対策チェックリストの遵守状況と クラスター発生との関連についての調査 第43回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和3年7月14日) 資料4
感染症数理モデル
基本再生産数R0
感染症に感染した1人の感染者が、誰も免疫を持たない集団に加わったとき、平均して何人に直接感染させるかという人数
実効再生産数Rt
免疫獲得や行動制限など対策後の再生産数。1より大きいなら感染者数は増大し、1未満なら減少する。指数関数的に増減するので、日本のクラスター対策では0.5以下にすることを目標としていた。
接触機会の軽減
感染拡大の危険性が高まってきたら人と人の接触機会を減らす積極的対策をする。
具体的にはガイドラインを遵守していない酒類の提供を行う飲食店の休業要請、人が集中する観光地の施設等における入場制限、外出自粛の要請、 県境を超えた移動の自粛要請など。
Rt2の場合、接触削減8割でRt0.4に、6割削減で1.2になる。現在の実効再生産数と積極的対策でその程度接触機会削減できるかで将来の感染者数が変化する。
今後想定される感染状況と対策について 令和2年8月7日(金)
モバイル空間統計全国主要エリアの人口増減率
「飲食店の制限だけでは1ヶ月で感染者は減らない」 8割おじさんが厚労省“非公開”のシミュレーションを公開(2021/1/5)
緊急事態宣言が効果を上げるか鍵を握る2つの変化 8割おじさんを悩ませる変数(2021/1/5)
V-RESAS 新型コロナウイルス感染症が地域経済に与える影響の可視化
補償・給付金
Go To
“Go To Travel” Campaign and Travel-Associated Coronavirus Disease 2019 Cases: A Descriptive Analysis
炭疽菌/ ノロウイルス/ 新型インフルエンザ/ MERS(中東呼吸器症候群)/ マスク/
危機管理[南海トラフ地震対策・原子力]