問題解決の初手
問題解決とは「現状」と「目標・あるべき姿」との間のギャップを発見し、そのギャップを分析し本質を見極め、解決策を見出し実行することです。問題を解決するためには、まず問題を発見しなければなりません。そのためには正確に現状とあるべき姿を把握する必要があります。実はこれが先入観や慣れ、ステレオタイプな解決案、表面的なところしか見えないなどで簡単にはわからなくなっています。
問題が発見できないケース
問題は現状とあるべき姿のギャップなので、始点:現状と終点:あるべき姿が正確にわかってないと解決できません。
問題意識の低さや分析スキルの欠如から現状を直視できていない場合があります。意図的に隠蔽されてるケース、現場では明確だと思っているが客観的にみるとあいまいなケース、現在や将来の問題を先送りにしているケース、マニュアル通りの対応しかできないで現状を分析できる能力が低下しているケースなどが考えられます。
あとは適切なあるべき姿が設定できない場合があります。設定した目標が間違っているケース、環境や前提条件が把握できずにあるべき姿が間違ってるケース、現状の反対である「コインの裏返し」をあるべき姿に設定したケース、まちがった実現可能な解決策から逆算して設定してしまうケースなどが考えられます。
MECE
MECEはMutually Exclusive Collectively Exhaustiveの頭文字をとったもので、もれなく・ダブりなくの意味です。個々の要素が互いにダブっていなく、なおかつ個々の要素を合わせれば全体をもれなくカバーしている状態です。
問題解決する際にどの範囲を取り合うかで結論が変わってきます。その中で論理的にもれなく要素を分割する必要があります。
もれはなかなか気づきにくい。選んだ要素があれば、論理的には必ずそれ以外があるので、それ以外から新しい選択肢を探して漏れを減らすことができます。
取り扱う情報
まずは数値データです。データを必要な部分だけ抽出したり別のデータと組み合わせたりすることで意味のあるデータになります。またグラフ化することで相関関係やデータのばらつき・づれがわかりやすくなります。
つぎは人の話です。インタビューや記事によって得られますが、重要な情報が抜けていたりバイアスがかかっていたりします。また多数意見や権威者の意見はそのまま信じやすい傾向なるので取り扱いには注意が必要です。
最後に起こっている現象です。見聞きした情報や体験から得られた情報は、目に見えやすい部分だけを捉えたり先入観や常識的な見方をしがちです。違った視点で見直したり再定義しなおす必要があります。
効果的情報収集法
情報は闇雲に収集しても意味がなくて、必要な情報の見極めがいります。そのためには情報のうわべだけを見るのではなく、情報の意味を理解しなければなりません。
まずは情報収集の目的と背景を知らないといけません。調べる目的は何なのか、誰にとっての問題なのか、アウトプットはどんな形か、時間はどのくらいあるのか知るべきことを明確にしましょう。
一次情報と二次情報、定量情報と定性情報で向き不向きが違います。ほしい情報がどの資料にあるか特定し、資料作成者から新たな情報を引き出したり、関連の組織に連絡したりすることも必要です。
まずは全体をおさえて、そこから細かい視点で集めてみる順序が大事です。
<問題発見の視点
目的
問題発見のために「あるべき姿」を構想するのに最も大事なのが目的です。本来の目的がぶれてしまうと間違った問題解決をしてしまいます。
立場
誰にとっての問題なのかで解決するべき問題が大きく異なってきます。自分と違う視点をいくつか持つこのによって問題の本質が見えてきます。
視野
問題のモレや先入観が生じないようにつねに思考範囲を広くします。視野を広くするには目的の抽象度を上げたり、視点を上げてみたり、目的自体を変えてみたりします。。
時間
どの時点での問題解決するかで結論が変わってきます。また現状と目標を捉える時間にずれが生じると、問題が解決しません。時間は流れていくので近い将来に照準を合わせるのも効果的な方法です。
問題を分析する
現状とあるべき姿がある程度把握できると、問題の候補が見えてきます。そこで問題を分解・分析することで問題の本質を見極めます。