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コンピュータシステム システム構成要素

システムの構成

システムの処理形態・利用形態・適用領域

@ 集中処理システム 集中処理システムの仕組み,特徴を理解する。 用語例 コスト性能比,保守要員の集中化 A 分散処理システム 分散処理システムの仕組み,特徴を理解する。 用語例 分散アーキテクチャ,機能配分,水平機能分散システム,水平負荷分散システム, 垂直機能分散システム,対話型処理,情報資源の組織への対応性,管理責任, TCO B 利用形態 バッチ処理,リアルタイム処理などシステムの利用形態の種類と特徴,どのような業務 にどの形態が適しているかを理解する。

システム構成

デュアルシステム,デュプレックスシステム,クラスタ,クラスタリング,タン デム結合,マルチプロセッサシステム,ロードシェアリングシステム,バックア ップサイト,ホットサイト,ウォームサイト,コールドサイト,主系(現用系), 従系(待機系),シェアードエブリシング,シェアードナッシング,密結合,疎 結合,シンクライアント,ピアツーピア,グリッドコンピューティング,仮想化 (ホスト型,ハイパバイザ型,コンテナ型),VM(Virtual Machine:仮想マシ ン),VDI(Virtual Desktop Infrastructure:デスクトップ仮想化),クラウド コンピューティング,SaaS,PaaS,IaaS,FaaS,エッジコンピューティング,マ イグレーション(ライブマイグレーションほか)

ハイパフォーマンスコンピューティング

大規模並列,アレイプロセッサ

クライアントサーバシステム

プレゼンテーション層,ファンクション層,データベースアクセス層,クライア ント,サーバ,シンクライアントシステム,RPC,ローカル処理の応答速度,コ スト性能比,柔軟性,管理責任,サーバへの利用集中

Web システム

Web ブラウザ,Web サーバ

RAID

RAID0,RAID1,RAID2,RAID3,RAID4,RAID5,RAID6,ストライピング,ミラー リング,パリティ,チャンクサイズ

信頼性設計

フォールト,信頼性ブロック図,予備切替,並列運転,競合制御,アクティブスタンバイ構成,アクティブ-アクティブ構成,フォールトトレラントシステム, フォールトアボイダンス,フェールセーフ,フェールソフト,フールプルーフ, 無停止コンピュータ,UPS

システムの評価指標

システムの性能特性と評価

応答時間(レスポンスタイム):入力装置からの入力が完了し、出力装置への出力が開始されるまでの時間間隔。

スループット(処理時間):単位時間内に処理できる仕事(ジョブ)の量。あるジョブを処理するのに必要な時間。

ターンアラウンドタイム:情報がシステムを一巡する時間

命令ミックス:コンピュータシステムのハードウェアの性能を比較するために使われる
ギブソンミックス:科学技術計算用
コマーシャルミックス:事務計算用

ベンチマーク:標準的なプログラムの実行時間を測定し、ハードウェア、OSを含めた総合的なコンピュータの性能を比較評価すること

SPEC(Standard Performance Evaluation Corpation)

SPECint(整数演算処理能力):Dhrystoneベンチマーク、SPECfp(浮動小数点演算能力):Whestoneベンチマーク

TPC(Transation Proseccing Performance Council)
TPC-A(基本性能評価用)
TPC-B(データベース評価用)
TPC-C(業務処理評価用)
TPC-D(意思決定支援システム評価用)

@ システムの性能指標 システムの性能を評価する際の評価項目の種類や特徴,その指標を理解する。 用語例 レスポンスタイム(応答時間),スループット,ベンチマーク,システムモニタ, TPC,SPEC(Standard Performance Evaluation Corporation),SPECint,SPECfp, モニタリング,ギブソンミックス A キャパシティプランニング キャパシティプランニングの目的,考え方,システムに求められる処理の種類,量,処 理時間などを検討し,性能要件からサーバやストレージなどの性能諸元を見積り,システ ムの性能を継続的に把握,評価するという手順を理解する。 用語例 負荷,サイジング,スケールアウト,スケールアップ,容量・能力管理,システ ムパラメータ,プロビジョニング

システムの信頼性特性と評価

@ RASIS システムを評価する際の評価項目となる Reliability(信頼性),Availability(可用 性),Serviceability(保守性),Integrity(完全性),Security(安全性)とその指標を 理解する。 A 信頼性指標と信頼性計算 MTBF,MTTR,稼働率などシステムの信頼性を評価する際の評価項目とその指標,並列シ ステム,直列システムの稼働率の計算方法を理解する。 用語例 バスタブ曲線

稼働率

$$稼働率=\frac{MTBF}{MTBF+MTTR} RASISのA(可用性)の指標$$

MTBF(Mean Time Between Failures:平均故障間隔)
システムが故障せずに連続して動作する時間の平均値。RASISのR(信頼性)の指標

MTTR(Mean Time To Repair:平均修理時間)
RASISのS(保守性)の指標

直列システムの稼働率$$P - P_1 × P_2 × P_3$$

並列システムの稼働率$$P=1-(すべての装置が同時に故障する確率)$$ $$=1-(1-P_1)×(1-P_2)×(1-P_3)$$

デュアルシステム:装置を二重化し二台の処理装置が同じ処置を行い、障害時に故障した装置を切り離す方式。

デュプレックスシステム:通常は主系のみ稼働し障害時に主系から待機系に切り替える方式

信頼性指標(RASIS)
Reliability(信頼性)故障が少ない:MTBF
Availability(可用性)稼働率が高い
Serviceability(保守性)障害箇所の発見が容易:MTTR
Integrity(保全性)データの矛盾が発生しない
Security(機密性)不正アクセスを防止

信頼性設計の留意点

フォールトトレラントシステム:システムのどこかで故障が発生しても動作を継続する高信頼システム

フェールソフト:故障が発生したとき、故障個所を切り離し、性能が低下してもシステムの稼働を維持する機能(フォールバック)

フェールセーフ:故障が発生したとき、あらかじめ決められた安定状態に機能を固定し、故障の影響範囲を限定する機能。

フールプルーフ:不特定多数の使用者がいるプログラムにおいて、意図しない使われ方をしても故障しないような工夫をすること。

ホットスタンバイ:同じシステムを予備系として並行稼働しておき、障害発生時に予備系に切り替える設計。

フォールバック:故障した装置を切り離し、縮退運用すること。

コールドスタンバイ:障害発生時には待機系を起動して切り替える方式。

ウォームスタンバイ:システム(OS)は起動するが、業務システムは起動しないで待機させる方式。

システムの経済性の評価

システムの経済性に関する評価の考え方,評価項目,指標,評価の対象と具体的な方法や, 初期コスト(イニシャルコスト)や総所有費用(TCO)による評価を理解する。また,初期 コスト,運用コスト(ランニングコスト)に含まれる費用,直接コストと間接コストの区別 などを理解する。

マルチプロセッサ

密結合型:複数のプロセッサが主記憶を共有し、単一のOSで制御。負荷分散による処理能力向上ーOSでタスク間の同期をとる。プロセッサ数が増えると、競合が発生しやすくなる。

疎結合型:複数のプロセッサが自分専用の主記憶を持つ。プロセッサの独立性が高いため競合が起こりにくい。プロセッサごとにOSが必要ー構成が複雑。プロセッサ感は入出力ポートで結ばれ同期をとる。

科学の部屋[工学・化学]