特徴
カンピロバクターは家きんや家畜をはじめ、ペット、野鳥、野生動物など多くの動物が保有している菌です。牛・豚・鶏肉、鶏卵、生乳、井戸水などで菌が検出されています。熱や乾燥に弱いですが、冷凍しても死滅しません。食中毒が起きる場合は特に鶏肉の過熱不十分や二次感染が原因になることが多いです。数百個程度と比較的少ない菌量を摂取することによりヒトへの感染が成立することが知られています。年間300件、患者数2,000人程度の食中毒が起きています。
症状
潜伏時間が一般に1〜7日間とやや長く、下痢、腹痛、発熱、悪心、嘔気、嘔吐、頭痛、悪寒、倦怠感などであり、他の感染型細菌性食中毒と似ています。死亡や重症例はまれで、多くの患者は1週間ほどで治癒します。乳幼児・高齢者、その他抵抗力の弱い方では重症化する危険性があります。また、カンピロバクターに感染した数週間後に、手足の麻痺や顔面神経麻痺、呼吸困難などを起こす「ギラン・バレー症候群」を発症する場合があることが指摘されています。
予防法
まずは調理でしっかり加熱することです。60℃、1分程度の加熱でほぼ不活性化すると言われています。食肉、特に鶏肉の生や不完全な加熱が原因なので、しっかりと食材の中まで火が通っている状態(白く色が変わっている)で食べることです。レバ刺しや鳥刺しなど生や半生の状態で提供している飲食店がありますが、そういう料理は避けましょう。新鮮だから生で食べられるわけではありません。食肉処理されている時点で汚染されています。
あとは二次感染を防ぐことです。汚染源である生肉を調理した後の調理器具や調理台は汚染されているので、適切に殺菌するか、特に生で食べる食材と触れないようにしましょう。特にまな板は分けたほうがよいでしょう。