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サービスマネジメント

サービスマネジメント

サービスマネジメントの目的と考え方

サービスマネジメントの目的と考え方

サービスマネジメントは、顧客やユーザーに価値を提供するために、サービスの計画立案、設計、移行、提供、および改善を行うための組織の活動と資源を指揮し、管理する一連の能力およびプロセスです。このアプローチにより、組織はサービスの品質を高め、顧客満足度を向上させることができます。

用語とその説明

サービスライフサイクルの段階

これらの段階を通じて、サービスマネジメントは、顧客に高品質なサービスを提供し、組織の目標を達成するための重要な役割を果たします。

サービスマネジメントシステムの確立,実施,維持及び継続的改善

サービスマネジメントシステムの確立、実施、維持及び継続的改善

サービスマネジメントシステム(SMS)は、サービスを効果的に提供するための管理体制を確立し、実施し、維持し、継続的に改善するための枠組みです。日本産業規格(JIS)では、JIS Q 20000(ISO/IEC 20000シリーズ)において、これらの要求事項が規定されています。

主要な用語とその説明

JIS Q 20000の規格群の目的と内容

JIS Q 20000(ISO/IEC 20000シリーズ)は、サービスマネジメントシステムの要求事項を定めた国際規格です。これにより、サービス提供者は以下の点を確保できます。

サービスマネジメントシステムを導入することで、組織はサービス提供の全体的なパフォーマンスを改善し、顧客との信頼関係を強化することができます。JIS Q 20000の規格群は、これを実現するための具体的なフレームワークとガイドラインを提供します。

JIS Q 20000 の規格群(ISO/IEC 20000 シリーズ)

ITIL

サービスマネジメントのフレームワーク: ITILの目的と考え方

ITIL(Information Technology Infrastructure Library)は、ITサービスマネジメントのベストプラクティスをまとめたフレームワークで、現在、デファクトスタンダードとして世界中で活用されています。ITILは、ITサービスの品質と効率を向上させるために設計された一連のガイドラインであり、ITサービスの計画、設計、提供、運用、改善に関する具体的な手法とプロセスを提供します。

ITILの目的

ITILの考え方

ITILの基本的な考え方は、ITサービスをビジネスニーズに合わせて最適化し、提供することです。そのために、ITILはサービスライフサイクルの各フェーズで必要なプロセスと活動を定義しています。ITILのフレームワークは以下のような主要なフェーズで構成されています。

ITILの用語例

ITILは、ITサービスマネジメントのベストプラクティスを提供することで、企業がITサービスを効果的に管理し、ビジネス目標を達成するためのサポートをします。

SLA

サービスレベル合意書(SLA: Service Level Agreement)

サービスレベル合意書(SLA)は、サービスの提供者と顧客との間で取り決められた契約書であり、提供されるサービスの具体的な内容およびそのパフォーマンス基準を明確に定義します。SLAは、提供されるサービスの品質や性能を測定するための基準を設定し、これに基づいてサービスの提供状況を評価します。

SLAの目的

SLAに含まれる代表的なサービスレベル目標

SLAの用語例

SLAは、サービス提供者と顧客の双方にとって重要な文書であり、サービスの質と信頼性を確保するために欠かせないツールです。

サービスマネジメントシステムの計画及び運用

サービスマネジメントシステムの計画と支援

サービスマネジメントシステムの計画と支援

サービスマネジメントシステムの計画と支援は、組織がサービスの提供を効果的に管理し、継続的に改善するために不可欠です。このプロセスには、サービスマネジメントシステムの計画、実施、維持が含まれ、運用を支援するための必要な知識や資源の決定と維持も含まれます。

サービスマネジメントシステムの計画

サービスマネジメントシステムの支援

関連する用語と概念

これらの要素を統合的に管理し、運用することで、サービスマネジメントシステムの効果的な運用と継続的な改善が可能となります。

サービスの計画

サービスマネジメントシステムのサービスの計画

サービスマネジメントシステムにおけるサービスの計画は、サービスの要求事項を決定し、利用可能な資源を考慮して変更要求や新規サービスの提案を評価し、優先順位を付けるプロセスです。これにより、効率的で効果的なサービス提供を実現します。

主要な要素

プロセスの流れ

  1. 要求事項の収集: 顧客やステークホルダーからの要求事項を収集し、分析します。これには、市場調査や競合分析も含まれます。
  2. 資源の評価: 利用可能な資源(人員、技術、資金など)を評価し、要求事項を満たすために必要な資源を計画します。
  3. 変更要求の評価: 受け取った変更要求を評価し、その影響や必要性を判断します。これには、リスク分析やコスト・便益分析が含まれます。
  4. 優先順位の設定: 収集した要求事項や変更要求に基づいて、サービスや変更提案の優先順位を設定します。これにより、リソースを効果的に配分し、最も重要な要求を優先的に対応します。
  5. 計画の策定: 優先順位に基づいて、サービス提供の計画を策定します。これには、タイムラインの設定や進捗管理の計画が含まれます。

これらのプロセスを通じて、サービスマネジメントシステムは組織が顧客の期待に応え、効率的かつ効果的にサービスを提供できるよう支援します。

サービスカタログ管理

サービスマネジメントシステムのサービスカタログ管理

サービスカタログ管理は、顧客に提供するサービスについての詳細な情報を文書化し、管理するプロセスです。このプロセスは、サービスの意図した成果やサービス間の依存関係を明確にするための重要な役割を担っています。サービスカタログ管理を適切に行うことで、顧客、利用者、およびその他の利害関係者が提供されるサービスの内容を正確に理解し、アクセスできるようになります。

サービスカタログ管理の目的

主要な要素

プロセスの流れ

  1. 情報の収集: 提供するサービスに関する詳細な情報を収集します。これには、サービスの目的、範囲、提供方法、依存関係などが含まれます。
  2. サービスカタログの作成: 収集した情報を基に、サービスカタログを作成します。このカタログは、組織内外の利害関係者にとって理解しやすい形式で提供されます。
  3. サービスカタログの維持: サービスカタログは、定期的に更新し、最新の情報を維持します。これには、新しいサービスの追加や既存サービスの変更が含まれます。
  4. アクセスの提供: サービスカタログの適切な部分へのアクセスを、顧客、利用者、およびその他の利害関係者に提供します。これには、ウェブポータルやイントラネットなどの使用が含まれます。

サービスカタログ管理を通じて、組織は提供するサービスの透明性を高め、顧客の期待に応えるための基盤を構築します。これにより、顧客満足度の向上やサービス提供の効率化が実現されます。

資産管理

サービスマネジメントシステムの資産管理

サービスマネジメントシステムにおける資産管理は、サービスの計画、提供、および改善に必要な資産を効果的に管理するためのプロセスです。これには、ハードウェア、ソフトウェア、ライセンス、インフラストラクチャなどのすべてのIT資産が含まれます。資産管理を通じて、組織はサービスの品質を維持し、コストを最適化し、コンプライアンスを確保することができます。

資産管理の目的

主要な要素

プロセスの流れ

  1. 資産の識別と記録: 組織内のすべての資産を識別し、詳細な記録を保持します。これには、資産の種類、所有者、位置、使用状況などが含まれます。
  2. 資産の取得と配置: 新しい資産の取得と配置を計画し、実施します。これには、調達プロセスや資産のインストールが含まれます。
  3. 資産の維持と監視: 資産の状態とパフォーマンスを定期的に監視し、必要に応じてメンテナンスを行います。
  4. ライセンスと契約の管理: ソフトウェアライセンスや契約に関するコンプライアンスを確認し、適切に管理します。
  5. 資産の廃棄: 使用が終了した資産を適切に廃棄し、その記録を更新します。

関連用語

資産管理を効果的に行うことで、組織はサービスの質を向上させ、コストを最適化し、コンプライアンスを確保することができます。これにより、サービスの提供がよりスムーズに行われ、顧客満足度の向上にもつながります。

構成管理

サービスマネジメントシステム 構成管理

サービスマネジメントシステムにおける構成管理は、サービスに関連するすべての構成品目(Configuration Item, CI)を識別、記録、制御、追跡、および検証するプロセスです。これにより、サービスやその他のITインフラストラクチャの正確な構成情報が管理され、適切に利用可能となります。

構成管理の目的

主要用語

構成管理は、サービスの可用性や安定性を確保するために重要な役割を果たします。適切に管理された構成情報は、サービスマネジメント全体の効率性を向上させ、リスク管理を強化します。

事業関係管理

サービスマネジメントシステム 事業関係管理

事業関係管理は、顧客関係を効果的に管理し、顧客満足を維持するためのプロセスです。また、他の利害関係者とのコミュニケーションを円滑にするための取り決めを確立し、サービス提供のパフォーマンスや成果を評価します。以下に、事業関係管理の主な機能や用語を説明します。

事業関係管理の目的

主要用語

事業関係管理は、サービスマネジメントシステム全体の一部であり、顧客との信頼関係を構築し維持するために重要な役割を果たします。顧客満足度の向上は、組織の長期的な成功に直結する要素の一つです。

サービスレベル管理

サービスマネジメントシステム サービスレベル管理

サービスレベル管理は、顧客と提供するサービスについて、サービスレベル契約(SLA)を定義し、合意し、記録し、管理するプロセスです。以下に、サービスレベル管理の主な機能や用語を説明します。

サービスレベル管理の目的

主要用語

サービスレベル管理は、サービス提供者と顧客との間での透明性と信頼関係の確立に重要な役割を果たします。定期的なレビューと報告により、サービスの改善と持続的な品質向上を実現します。

供給者管理

サービスマネジメントシステム 供給者管理

供給者管理は、外部供給者との関係や契約、および外部供給者のパフォーマンスを監視するプロセスです。また、内部供給者や顧客が供給者として行動する場合にも、サービスレベル目標や関係者間のインタフェースを定義し、合意文書を作成・合意することが含まれます。以下に、供給者管理の詳細を説明します。

外部供給者の管理

内部供給者としての顧客の管理

用語例

供給者管理は、サービスマネジメントシステム全体において、外部と内部の供給者との協力関係を強化し、組織のサービス提供能力を最大化する重要な役割を果たします。

サービスの予算業務及び会計業務

サービスマネジメントシステム サービスの予算業務及び会計業務

サービスの予算業務及び会計業務は、財務管理の方針とプロセスに従って行われる重要な活動です。以下に、その主なポイントを説明します。

用語例

サービスの予算業務と会計業務は、サービスマネジメントシステム全体の財務面の健全性を確保し、組織が持続可能な成長を達成するための重要な要素です。

需要管理

サービスマネジメントシステム 需要管理

需要管理は、サービス提供において重要な役割を果たすプロセスであり、以下のポイントを理解します。

用語例

需要管理は、サービス提供の効率性と顧客満足度の向上に直結する重要な要素です。適切な需要管理を行うことで、組織は市場の変化に対応し、持続可能な成長を達成する基盤を築きます。

容量・能力管理

サービスマネジメントシステム 容量・能力管理

容量・能力管理は、資源の適切な管理と計画に基づいて、サービス提供の効率性とパフォーマンスを確保するための重要なプロセスです。以下のポイントを理解します。

用語例

容量・能力管理は、サービスの安定性やスケーラビリティを確保するために不可欠なプロセスであり、適切な計画と実行により、組織は効果的なIT資源の活用とコスト管理を実現します。

変更管理

サービスマネジメントシステム 変更管理

@ 変更管理方針

変更管理方針は、サービスマネジメントシステムにおいて重要な役割を果たします。以下のポイントを理解します。

用語例

変更管理は、サービスの安定性と可用性を確保するために不可欠なプロセスであり、計画的かつ効果的な変更管理を行うことで、リスクを最小限に抑えつつ、サービスの品質を維持・向上させることが目的です。

A 変更管理の開始

サービスマネジメントシステム 変更管理の開始

変更管理の開始では、以下のプロセスが理解されます。

変更要求(RFC)は、特定のサービスやシステムに関する変更を提案・申請するための文書であり、それが承認されると変更の実施が始まります。

変更管理の開始段階では、変更要求が適切に処理され、それに伴う変更がサービスの設計と移行プロセスまたは変更管理プロセスに従って実行されることが重要です。これにより、変更が迅速かつ効果的に実装され、サービスの安定性と品質が保たれます。

B 変更管理の活動

サービスマネジメントシステム 変更管理の活動

変更管理の活動では、以下の主要なプロセスが理解されます。

変更管理の活動は、ビジネスの要求に応じて柔軟に対応し、サービスの安定性と品質を維持しながら、持続可能な変更を実施するための重要な役割を果たします。

用語例: 優先度、変更のカテゴリ(標準変更、通常変更、緊急変更など)、ロールバック(切り戻し)、変更諮問委員会(CAB)、変更実施後のレビュー(PIR)

サービスの設計及び移行

@ 新規サービス又はサービス変更の計画

サービスの設計及び移行

サービスの設計及び移行のプロセスは、新規サービスやサービス変更を計画し、それらを効果的に実施するための枠組みを提供します。これにより、サービスが顧客の要求事項に合致し、スムーズに運用に移行できるようになります。以下に、サービスの設計及び移行に関する主要な活動と用語を説明します。

新規サービス又はサービス変更の計画

これらの活動を通じて、サービスの設計及び移行プロセスは、サービスの品質を確保し、顧客の期待に応えるために不可欠な要素となります。

用語例: サービスの設計及び移行、新規サービス又はサービス変更の計画

A 設計

設計

サービス設計のプロセスは、サービス計画で決定されたサービスの要求事項を満たすように、詳細な設計を行い、それを文書化することを目的としています。このプロセスは、サービスの品質を確保し、顧客の期待に応えるために重要です。また、SLA(サービスレベル合意書)、サービスカタログ、契約書などの文書の新設や更新も含まれます。

設計の主要な活動

これらの活動を通じて、サービス設計プロセスは、サービスの品質を保証し、顧客のニーズに応えるための基盤を築きます。

用語例の解説

B 構築及び移行

構築及び移行

構築及び移行プロセスは、文書化された設計に基づいてサービスを構築し、サービス受入れ基準を満たしていることを確認するための試験を行います。新規サービスやサービス変更を稼働環境に展開するためには、リリース及び展開管理を使用します。

構築及び移行の主要な活動

用語例の解説

リリース及び展開管理

リリース及び展開管理

リリース及び展開管理は、新規サービスまたはサービス変更、およびサービスコンポーネントを稼働環境に展開するためのプロセスです。このプロセスには、リリースの計画、実施、監視、分析、および改善が含まれます。以下に、リリース及び展開管理の主要な活動と関連する用語を説明します。

リリース及び展開管理の主要な活動

用語例の解説

インシデント管理

@ インシデントの対応

インシデント管理

インシデント管理は、サービスに対する計画外の中断、サービス品質の低下、または顧客や利用者へのサービスに影響しない事象(インシデント)に対処するためのプロセスです。このプロセスでは、インシデントの記録、分類、優先順位付け、エスカレーション、解決、および終了を行います。

インシデント対応の主なステップ

用語例の解説

A 重大なインシデントの対応

サービスマネジメントシステムの計画及び運用 重大なインシデントの対応

サービスマネジメントシステムにおいて、重大なインシデントの対応は非常に重要です。重大なインシデントとは、サービスに大きな影響を与えるインシデントのことを指します。これらのインシデントに迅速かつ適切に対応するためには、特定の基準を設け、それに基づいてインシデントを特定、分類、管理することが必要です。さらに、重大なインシデントについてはトップマネジメントへの迅速な通知が求められます。

重大なインシデント対応の主なステップ

用語例の解説

重大なインシデントの対応は、サービスの信頼性と顧客満足度を維持するために不可欠です。適切な基準と手順を設定し、迅速かつ効果的な対応を行うことで、サービスの中断による影響を最小限に抑えることができます。

サービス要求管理

サービスマネジメントシステムの計画及び運用 サービス要求管理

サービスマネジメントシステムにおけるサービス要求管理は、サービス要求に対して適切に対応するためのプロセスです。サービス要求管理のプロセスは、要求の記録、分類、優先順位付け、実現、終了の各ステップで構成されます。また、サービス要求の実現に関する指示書を関係者が利用できるようにすることも重要です。

サービス要求管理の主なステップ

サービス要求の実現に関する指示書

サービス要求を実現するためには、関係者が具体的な手順や指示を利用できるようにすることが重要です。サービス要求の実現に関する指示書は、各要求に対応するための具体的な手順を示した文書であり、関係者が迅速かつ正確に対応できるよう支援します。

用語例の解説

サービス要求管理は、顧客やユーザーのニーズに迅速かつ的確に対応するために重要です。適切なプロセスと指示書を用いることで、サービスの品質を維持し、顧客満足度を高めることができます。

問題管理

問題管理

問題管理は、インシデントのデータと傾向を分析し、根本原因を特定することで、インシデントの発生や再発を防止するためのプロセスです。問題管理の目的は、サービスの品質を向上させ、顧客満足度を高めることです。問題管理の主なステップと必要な用語について以下に説明します。

問題管理の主なステップ

問題管理の補足プロセス

用語例の解説

問題管理は、インシデントの再発を防止し、サービスの安定性と信頼性を向上させるために重要な役割を果たします。適切な問題管理プロセスを導入することで、サービスの品質向上と顧客満足度の向上を実現します。

サービス可用性管理

サービス可用性管理

サービス可用性管理は、サービスの継続的な運用を確保し、サービスの中断を最小限に抑えるためのプロセスです。サービスの可用性は、サービスが顧客に提供される時間の割合を示し、顧客満足度に直接影響を与える重要な指標です。以下に、サービス可用性管理の主なステップと関連する用語について説明します。

サービス可用性管理の主なステップ

用語例の解説

サービス可用性管理は、サービスの品質を維持し、顧客満足度を高めるために不可欠です。適切な管理を行うことで、サービスの信頼性と回復力を向上させ、サービスの中断を最小限に抑えることができます。

サービス継続管理

サービス継続管理

サービス継続管理は、サービスの中断に対するリスクを評価し、サービスの中断が発生した場合に迅速かつ効果的に対応するための計画を策定するプロセスです。サービスの継続性を確保することで、ビジネスの運用を維持し、顧客への影響を最小限に抑えることができます。以下に、サービス継続管理の主なステップと関連する用語について説明します。

サービス継続管理の主なステップ

用語例の解説

サービス継続管理は、ビジネスの運用を保護し、サービスの信頼性を高めるために不可欠なプロセスです。効果的なサービス継続計画を策定し、定期的に試験・更新することで、予期せぬ中断に対する備えを強化し、サービスの中断時にも迅速に対応できる体制を整えることができます。

情報セキュリティ管理

情報セキュリティ管理

情報セキュリティ管理は、組織の情報資産を保護するための一連の方針、手順、および技術的な対策を含むプロセスです。これにより、情報の機密性、完全性、および可用性を確保し、セキュリティインシデントのリスクを最小限に抑えることができます。以下に、情報セキュリティ管理の主な要素と関連する用語について説明します。

情報セキュリティ管理の主な要素

用語例の解説

ISO/IEC 27000シリーズについて

ISO/IEC 27000シリーズは、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の要求事項を規定した国際規格の一群です。このシリーズは、情報セキュリティの管理策やベストプラクティスを提供し、組織が効果的な情報セキュリティ管理を導入し、運用するのを支援します。日本では、これらの国際規格を基にしたJIS規格群が制定されています。

ISO/IEC 27000シリーズには、以下のような規格が含まれます:

これらの規格を適切に活用することで、組織は情報セキュリティのリスクを管理し、セキュリティインシデントの発生を防ぐための包括的なフレームワークを構築することができます。

パフォーマンス評価及び改善

パフォーマンス評価

パフォーマンス評価は、サービスマネジメントシステムのパフォーマンスと有効性を継続的に監視し、分析し、評価するプロセスです。また、サービスの報告を通じて、システムおよびサービスの状態や成果を関係者に伝えることも重要な要素となります。以下に、パフォーマンス評価の主な活動と関連する用語について説明します。

@ 監視,測定,分析及び評価

これらの活動により、サービスマネジメントシステムが設定された目標をどの程度達成しているか、またサービスが顧客の要求事項を満たしているかを評価します。

A サービスの報告

報告書は、意思決定の基礎となる重要な資料であり、サービスの改善や戦略の見直しに役立ちます。

用語例の解説

これらの用語を理解し、適切に使用することで、サービスマネジメントシステムのパフォーマンス評価がより効果的に行われます。

改善

パフォーマンス評価及び改善 改善

パフォーマンス評価及び改善においては、不適合の管理と是正処置、そして継続的改善の両方が重要な要素です。これらの活動を通じて、サービスマネジメントシステムの品質と効果を維持し、向上させることができます。以下に、不適合及び是正処置と継続的改善について説明します。

@ 不適合及び是正処置

不適合が発生した場合に取るべき対応について理解することが重要です。不適合及び是正処置に関する主要な活動は次の通りです:

これらの活動により、組織は問題が再び発生しないようにし、サービスの品質を保つことができます。

用語例の解説

A 継続的改善

サービスマネジメントシステム及びサービスの適切性、妥当性及び有効性を継続的に改善することも重要です。継続的改善に関する主な活動は次の通りです:

これらの活動により、組織は持続的にサービスの質を向上させ、顧客満足度を高めることができます。

用語例の解説

これらの用語を理解し、適切に活用することで、サービスマネジメントシステムのパフォーマンス評価と改善がより効果的に行われます。

サービスの運用

システム運用管理

システム運用管理

システム運用管理では、日常の運用計画、障害発生時の対応計画、運用負荷の低減計画などが重要な活動です。これらの計画は、システムの安定性と効率性を確保し、サービス提供の中断を最小限に抑えるために必要です。

運用の資源管理も同様に重要であり、設備、コンピュータシステム、データ、マニュアル、作成した成果物、そして運用要員を適切に管理し、組織の目標に沿った効果的な運用を行います。

主要な活動

1. 日常の運用計画: システムの通常の運用を計画し、日常業務をスムーズに進めるためのスケジュールや手順を定めます。

2. 障害発生時の対応計画: システム障害が発生した際の対応策を計画し、サービスの中断を最小限に抑えるための手順を準備します。

3. 運用負荷の低減計画: システムの負荷を管理し、運用の効率性と安定性を向上させるための計画を策定します。

4. 容量・能力管理: システムの利用状況をモニタリングし、将来の需要に備えて適切なリソースを確保します。

5. 情報セキュリティ管理: システムとデータのセキュリティを保護するためのポリシーや手順を実施し、セキュリティリスクを管理します。

6. サービス可用性管理: サービスの可用性を監視し、目標に対して実績を評価して必要な対策を実施します。

7. サービス継続管理: 事業継続計画を策定し、システム障害や災害発生時の迅速な回復を保証します。

これらの活動を通じて、組織はシステムの安定性とサービス品質を確保し、顧客や利害関係者に価値を提供します。

運用オペレーション

運用オペレーション

運用オペレーションでは、システムを安定稼働させるために必要な監視、操作、および状況連絡を定められた手順に沿って実施することが重要です。また、システムの運用においては、作業指示書に基づいて操作を行うことが理解されています。

主要な活動

1. システムの監視と操作: 定められた手順に基づいて、システムの動作を監視し、必要に応じて操作を行います。

2. ジョブスケジューリング: ジョブ(処理やタスク)の実行順序やタイミングを設計し、運用計画に基づいてスケジュールを調整します。

3. アウトプットの管理: ジョブやプロセスの実行結果や出力物の管理を行い、必要に応じて確認や保管を行います。

4. バックアップ: データやシステムのバックアップを定期的に実施し、データの保全を確保します。

5. ジョブの復旧と再実行: ジョブの実行においてエラーや中断が発生した場合に、復旧手順に基づいて再実行を行います。

6. 運用支援ツール: 監視ツールや診断ツールなどのツールを活用して、運用業務を効率化し、問題の早期発見や解決を支援します。

7. 業務運用マニュアル: 運用業務の手順やポリシーをまとめたマニュアルを作成し、運用スタッフが適切に業務を行うためのガイドとします。

これらの活動を通じて、組織はシステムの安定稼働を確保し、ビジネス目標の達成に向けた基盤を支えます。

サービスデスク

サービスデスク

サービスデスクは、サービスの利用者からの問い合わせに対応するための単一の窓口機能を提供し、さまざまな活動を行います。以下に、サービスデスクの主な活動について説明します:

サービスデスクは、利用者満足度の向上や問題解決の迅速化に貢献する重要な機能です。以下に、用語例を示します:

これらの用語や機能を理解し、適切に活用することで、サービスデスクは効果的なサポート活動を実現し、組織の運用効率を向上させます。

ファシリティマネジメント

(1)

ファシリティマネジメント

ファシリティマネジメントの目的と考え方

ファシリティマネジメントは、コンピュータシステムやネットワークの施設基盤の設計、構築、管理、運営に関わる活動です。その目的と考え方について以下に説明します。

@ ファシリティマネジメントの目的と考え方

ファシリティマネジメントの主な目的は、ITインフラストラクチャの施設基盤を効果的かつ効率的に管理し、以下のような利点をもたらすことです:

また、ファシリティマネジメントは、ITインフラの長寿命化や環境負荷の低減なども目指します。

A 施設管理・設備管理

データセンターなどの施設やコンピュータ、ネットワークなどの設備の管理には、以下のような活動が含まれます:

これらの管理活動により、施設の安全性と運用効率を向上させます。

用語例の解説

これらの活動により、ITインフラの運用コストを最小限に抑えながら、高い性能と安全性を維持することが可能となります。

ファシリティマネジメント

B 施設・設備の維持保全

施設・設備の維持保全は、適切な状態に保ちながら長期間運用するための重要な活動です。以下にその内容を詳しく説明します:

これらの活動により、施設や設備の効率的な管理が実現され、運用コストの削減と設備の耐久性向上が図られます。

用語例の解説

C 環境側面

環境側面では、地球環境に配慮したIT製品やインフラストラクチャの利用が重要です。以下にその詳細を示します:

これらの取り組みにより、ITインフラの利用において地球環境への負荷を軽減し、持続可能な社会貢献が実現されます。

用語例の解説

科学の部屋[工学・化学]