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技術要素 中分類 10:ネットワーク

ネットワーク方式

通信ネットワークの役割

通信ネットワークが果たす役割と効果、およびネットワーク障害が発生した場合の社会的影響について理解することは、現代社会において非常に重要です。

通信ネットワークの役割と効果:

ネットワーク障害の社会的影響:

用語例:

ネットワークの種類と特徴

LANとWANの仕組み、特徴、構成要素、運用費用について理解し、またWANを構成する場合に利用する電気通信事業者から提供されているサービスの種類と特徴についても理解することが重要です。

LAN(Local Area Network)の仕組み、特徴、構成要素、運用費用:

WAN(Wide Area Network)の仕組み、特徴、構成要素、運用費用:

WANを構成する際に利用する電気通信事業者のサービスの種類と特徴:

有線 LAN

有線LANの仕組み、構成要素、特徴を理解することは、ネットワーク構築や管理において非常に重要です。

有線LANの仕組み:

有線LANの構成要素:

有線LANの特徴:

無線 LAN

無線LANの仕組み、構成要素、特徴を理解することは、現代のネットワーク構築や運用において非常に重要です。

無線LANの仕組み:

無線LANの構成要素:

無線LANの特徴:

無線LANの利点:

無線LANの欠点:

交換方式

回線交換とパケット交換の仕組み、およびその特徴を理解することは、ネットワークの基礎を学ぶ上で重要です。

回線交換の仕組み:

回線交換の特徴:

パケット交換の仕組み:

パケット交換の特徴:

パケット:

VoIP(Voice over Internet Protocol):

回線に関する計算

回線速度,データ量,転送時間の関係を理解し,与えられた回線速度,データ量,回線利用率からの転送時間の算出方法を理解する。また,発生するトラフィック量から必要な回線速度を算出する方法を理解する。

基本概念

転送速度(伝送速度):通信回線が1秒間に送信できるデータ量を示します。単位はbps(bits per second)。

データ量:転送するデータの全量を示します。単位はビットやバイトなど。

転送時間:データ量を指定された回線速度で送信するのにかかる時間。

算出方法

転送時間を求める基本的な式は以下の通りです。

\[ \text{転送時間} = \frac{\text{データ量}}{\text{回線速度}} \]

例えば、データ量が10メガビット(10,000,000ビット)で回線速度が1メガビット/秒(1,000,000ビット/秒)の場合:

\[ \text{転送時間} = \frac{10,000,000 \, \text{ビット}}{1,000,000 \, \text{ビット/秒}} = 10 \, \text{秒} \]

回線利用率を考慮した場合

回線利用率(利用効率)が考慮される場合は、以下の式を用います。

\[ \text{転送時間} = \frac{\text{データ量}}{\text{回線速度} \times \text{回線利用率}} \]

例えば、回線利用率が80%(0.8)の場合:

\[ \text{転送時間} = \frac{10,000,000 \, \text{ビット}}{1,000,000 \, \text{ビット/秒} \times 0.8} = 12.5 \, \text{秒} \]

必要な回線速度の算出方法

必要な回線速度は、発生するトラフィック量と要求される転送時間から求めることができます。

\[ \text{回線速度} = \frac{\text{データ量}}{\text{要求転送時間}} \]

例えば、データ量が5メガビット(5,000,000ビット)で要求転送時間が2秒の場合:

\[ \text{回線速度} = \frac{5,000,000 \, \text{ビット}}{2 \, \text{秒}} = 2,500,000 \, \text{ビット/秒} = 2.5 \, \text{Mbps} \]

用語例の解説

転送速度(伝送速度):通信回線が1秒間に送信できるデータの量。

bps(bit per second):転送速度の単位で、1秒間に何ビットのデータを送信できるかを示します。

回線容量:回線が持つ最大の転送能力。

ビット誤り率:転送されたビットのうち、誤って伝達されたビットの割合。

トラフィック理論:通信ネットワークにおけるデータの流れを分析する理論。

呼量:一定期間内に発生する通信要求の量。

呼損率:通信要求のうち、処理されずに失敗した割合。

アーラン B 式(アーランの損失式):トラフィック理論に基づいて、回線数と呼損率の関係を表す式。

アーラン:トラフィック量の単位で、1アーランは1つの回線が1時間に占有される程度の通信量。

トラフィック設計:通信ネットワークの性能を最適化するための設計。

性能評価:ネットワークの性能を評価し、改善の必要性を判断するプロセス。

これらの概念と計算方法を理解することで、通信ネットワークの効率的な設計と運用が可能になります。

インターネット技術

ノードには,世界で一意となる IP アドレスが割り当てられることによって,相互通信が可能となっていること,アドレスを構成するネットワークアドレスとホストアドレスの役割,IP パケットのルーティングの動作,IPv6 の必要性と特徴を理解する。

基本概念

IP アドレス:インターネットに接続された各ノード(コンピュータやルーターなど)に割り当てられる一意の識別子です。IPアドレスはIPv4(32ビット)とIPv6(128ビット)の2種類があります。

ネットワークアドレス:IPアドレスのうち、ネットワークを識別する部分です。

ホストアドレス:IPアドレスのうち、ネットワーク内の個々のノードを識別する部分です。

IPパケットのルーティングの動作

IPパケットは送信元から宛先まで、ルーターを介して転送されます。ルーターは各IPパケットの宛先IPアドレスを基に、次のルーターや最終宛先への経路を決定します。このプロセスをルーティングと呼びます。

IPv6の必要性と特徴

IPv4アドレスの枯渇に対応するため、IPv6が導入されました。IPv6は128ビットのアドレスを使用するため、より多くの一意なアドレスを提供します。また、IPv6はIPv4に比べて以下のような特徴を持ちます。

用語例の解説

IPv4:32ビットのIPアドレス形式。約43億のアドレスが利用可能。

IPv6:128ビットのIPアドレス形式。ほぼ無限に近いアドレス数が利用可能。

アドレスクラス:IPv4アドレスの分類方法。クラスA、クラスB、クラスCなどがある。

グローバルIPアドレス:インターネット上で一意となるIPアドレス。

プライベートIPアドレス:内部ネットワーク内で使用されるIPアドレス。インターネット上では一意ではない。

IPマスカレード:内部ネットワークのIPアドレスを外部に隠す技術。通常はNATの一部として使用。

NAT(Network Address Translation):ネットワークアドレス変換。内部ネットワークと外部ネットワーク間のIPアドレスを変換する技術。

オーバーレイネットワーク:物理ネットワークの上に構築された仮想ネットワーク。

DNS(Domain Name System):ドメイン名をIPアドレスに変換するシステム。

ドメイン:DNSで管理されるインターネット上の名前空間。

TLD(Top-Level Domain):トップレベルドメイン。例:.com、.org、.net。

QoS(Quality of Service):ネットワーク上でデータ転送の品質を保証するための技術。

ユビキタス:いつでも、どこでも、誰でもインターネットに接続できる環境。

パーベイシブ:あらゆる場所に存在するコンピュータ技術。

セキュリティプロトコル:ネットワーク通信のセキュリティを確保するためのプロトコル。例:TLS、SSL。

ファイアウォール:ネットワークのセキュリティを確保するための装置やソフトウェア。外部からの不正アクセスを防ぐ。

RADIUS(Remote Authentication Dial-In User Service):リモートアクセスの認証、承認、およびアカウンティングを行うプロトコル。

データ通信と制御

ネットワークアーキテクチャ

@ ネットワークトポロジ

代表的なネットワーク構成の種類,特徴,端末,制御機器がどのような形態で接続されるかや,ネットワーク構成図の作成方法を理解する。また,各構成における信頼性と障害時の動作の違いを理解する。

ネットワーク構成の種類と特徴

ポイントツーポイント(2地点間接続)

2つのデバイス間を直接接続する構成です。シンプルで信頼性が高く、障害が発生しても接続元と接続先の問題に限定されます。

ツリー型

階層構造を持つネットワークで、ルートノードから子ノードへ分岐していく形態です。ネットワーク全体が階層的に管理されやすいですが、ルートノードの障害が全体に影響します。

バス型

全てのデバイスが1本のメインケーブル(バス)に接続される構成です。メインケーブルの障害がネットワーク全体の通信に影響を与えるため、信頼性はやや低いです。

スター型

中心にハブやスイッチがあり、全てのデバイスがそこに接続される構成です。個別の接続が障害を受けても他の接続には影響が少なく、信頼性が高いです。しかし、中央機器の障害が全体に影響します。

リング型

各デバイスがリング状に接続される構成です。データがリング内を一方向に流れるため、特定の障害がネットワーク全体に影響を与えることがあります。信頼性向上のために、冗長リングを採用することもあります。

ネットワーク構成図の作成方法

ネットワーク構成図を作成するには、以下の手順を踏みます。

各構成における信頼性と障害時の動作の違い

用語例の解説

ポイントツーポイント(2地点間接続):2つのネットワークデバイスを直接接続する形式。

ツリー型:階層的にデバイスを接続する形式。

バス型:全デバイスが一本のケーブルに接続される形式。

スター型:中央のハブやスイッチを介してデバイスが接続される形式。

リング型:デバイスがリング状に接続される形式。

A OSI 基本参照モデル

ISO が策定した 7 層からなるネットワークアーキテクチャである OSI 基本参照モデルの各層の機能,各層の間の関係を理解する。

OSI 基本参照モデルの各層の機能と関係

1. 物理層(Physical Layer)

物理層は、ネットワークハードウェアの電気的、機械的、手続き的、機能的な特性を規定します。ビットの転送を行い、実際の通信媒体を介してデータを送受信します。ケーブル、コネクタ、電圧レベルなどが含まれます。

2. データリンク層(Data Link Layer)

データリンク層は、物理層でのデータ転送を信頼性のあるものにするためのフレーム作成、誤り検出と訂正、フロー制御などの機能を提供します。具体的には、MACアドレスを使ってデバイスを識別し、局所的な通信を行います。

3. ネットワーク層(Network Layer)

ネットワーク層は、データを異なるネットワーク間でルーティングする機能を提供します。IPアドレスを用いてネットワーク間のデータ転送を管理し、パケットの経路選択を行います。

4. トランスポート層(Transport Layer)

トランスポート層は、エンドツーエンドの通信を確立し、データの送信を信頼性のあるものにするためのサービスを提供します。TCP(信頼性あり)やUDP(信頼性なし)といったプロトコルがこの層に含まれます。

5. セション層(Session Layer)

セション層は、通信セッションの確立、管理、終了を担当します。セッションの確立と維持、同期化、エラー回復などを行います。

6. プレゼンテーション層(Presentation Layer)

プレゼンテーション層は、データの表現形式を統一し、異なるシステム間でデータの互換性を確保します。データのエンコード、デコード、暗号化、復号化などを行います。

7. アプリケーション層(Application Layer)

アプリケーション層は、ユーザーやアプリケーションがネットワークサービスを利用するためのインターフェースを提供します。具体的には、HTTP、FTP、SMTPなどのプロトコルが含まれます。

各層の間の関係

各層は、下位層の機能に依存しており、下位層から提供されるサービスを利用して上位層の機能を実現します。データは送信側で各層を順に通過し、受信側で逆順に各層を通過して処理されます。例えば、アプリケーション層で作成されたデータは、プレゼンテーション層でエンコードされ、セション層でセッションが管理され、トランスポート層で信頼性が確保され、ネットワーク層でルーティングされ、データリンク層でフレーム化され、物理層で実際の通信媒体を介して送信されます。

用語例の解説

物理層:ケーブル、コネクタ、ビット転送の特性を規定。

データリンク層:フレーム作成、誤り検出訂正、MACアドレスによる局所通信。

ネットワーク層:IPアドレスによるルーティング、異なるネットワーク間のデータ転送。

トランスポート層:エンドツーエンドの通信、TCP/UDPプロトコル。

セション層:セッションの確立、管理、終了。

プレゼンテーション層:データのエンコード、デコード、暗号化、復号化。

アプリケーション層:ユーザーとネットワークサービスのインターフェース、HTTP/FTP/SMTPプロトコル。

B 標準化の実例

WAN における通信プロトコルの標準化が ITU-T において策定されていることを理解する。

ITU-T(国際電気通信連合 電気通信標準化部門)は、世界中で利用される通信プロトコルの標準化を行っている組織です。WAN(広域ネットワーク)における通信プロトコルの標準化も ITU-T によって策定されています。

用語例

X シリーズ

X シリーズは、データ通信ネットワークの標準を定める一連の勧告です。このシリーズには、X.25(パケット交換ネットワーク)、X.400(メッセージ処理システム)、X.500(ディレクトリサービス)などが含まれます。

V シリーズ

V シリーズは、アナログ音声帯域モデムの通信プロトコルに関する標準を定める一連の勧告です。代表的なものに、V.24(RS-232C インターフェース)、V.34(高速度モデムのプロトコル)、V.90(56K モデム)が含まれます。

I シリーズ

I シリーズは、ISDN(統合サービスデジタルネットワーク)に関する標準を定める一連の勧告です。I.430/I.431(ISDNの基本アクセス/プライマリレートアクセス)、I.440/I.441(フレームモードベアラーサービス)、I.610(メンテナンスプロトコル)などが含まれます。

これらの標準化プロトコルにより、異なる機器やシステムが互換性を持って通信できるようになり、グローバルなネットワークの円滑な運用が可能となります。

伝送方式と回線

ネットワークで使用される回線の種類,通信方式,交換方式の種類と特徴を理解する。

回線の種類

公衆回線: 一般に利用可能な通信回線で、電話回線やインターネット回線が含まれます。広く利用されているため、アクセスが容易です。

専用線: 特定のユーザのために設置された通信回線で、常に接続が確立されており、高いセキュリティと安定性を提供します。

電力線通信(PLC): 電力線を利用してデータを伝送する方式で、電力供給網を通信回線として利用します。

通信方式

単方向: データが一方向にのみ伝送される方式です。例: テレビ放送。

半二重: データが双方向に伝送されますが、一度に一方向のみです。例: トランシーバー。

全二重: データが同時に双方向に伝送される方式です。例: 電話通話。

多重化方式

WDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重): 複数の光信号を異なる波長で同じ光ファイバー上で伝送する方式です。

TDMA(Time Division Multiple Access:時分割多重接続): 複数の通信を異なる時間スロットに割り当てて同じ周波数帯で伝送する方式です。

交換方式

回線交換: 通話中に専用の物理回線を確保する方式で、電話回線で使用されます。接続が安定し遅延が少ないですが、効率は低いです。

パケット交換: データを小さなパケットに分割し、ネットワーク上の経路を動的に選択して伝送する方式です。インターネットで使用され、高効率で柔軟ですが、遅延が発生する可能性があります。

ネットワーク接続

LAN 内接続,LAN 間接続,LAN-WAN 接続の装置の種類,特徴,各装置の機能が,OSI 基本参照モデルのどの層に対応するかを理解する。

LAN 内接続

リピータ: 物理層(OSI 第1層)に対応し、信号を再生して伝送距離を延長する装置です。

ハブ: 物理層(OSI 第1層)に対応し、複数のデバイスを接続する中心装置で、信号を各ポートにブロードキャストします。

スイッチングハブ(レイヤー2スイッチ): データリンク層(OSI 第2層)に対応し、MACアドレスを基にフレームを適切なポートに転送します。ネットワーク効率を向上させます。

LAN 間接続

ブリッジ: データリンク層(OSI 第2層)に対応し、異なるLANセグメントを接続し、フレームをフィルタリングして転送します。

ルータ: ネットワーク層(OSI 第3層)に対応し、IPアドレスを基に異なるネットワーク間でパケットを転送します。経路選択機能を持ちます。

レイヤー3(L3)スイッチ: ネットワーク層(OSI 第3層)に対応し、ルーティング機能を持つスイッチで、LAN間の高速なデータ転送を実現します。

LAN-WAN 接続

ゲートウェイ: アプリケーション層(OSI 第7層)まで対応し、異なるプロトコル間でデータを変換して通信を可能にする装置です。

プロキシサーバ: アプリケーション層(OSI 第7層)に対応し、クライアントの要求を代理で処理し、キャッシュ機能などを提供します。

回線接続装置: データリンク層(OSI 第2層)またはネットワーク層(OSI 第3層)に対応し、LANをWANに接続するための装置で、モデムやISDNターミナルアダプタなどがあります。

その他の装置

カスケード接続: 複数のハブやスイッチを接続してネットワークを拡張する方法です。通常、データリンク層(OSI 第2層)に対応します。

スパニングツリー: データリンク層(OSI 第2層)に対応し、ネットワーク内のループを防止するプロトコルです。

伝送制御

送受信者の間でデータを確実に伝送するための制御機能である伝送制御の仕組み,特徴を理解する。

データリンク制御: データリンク層で行われる制御機能で、データのフレーム化、エラー検出・訂正、フロー制御などを担当します。

ルーティング制御: ネットワーク層で行われる制御機能で、パケットの最適な経路を決定し、送信元から目的地までのデータ伝送を管理します。

フロー制御: 送信側と受信側の間でデータ送信の速度を調整し、バッファオーバーフローを防ぐための制御機能です。

ベーシック手順: 基本的なデータ通信手順で、エラー検出と再送信の仕組みを含むシンプルなプロトコルです。

コンテンション方式: 複数のデバイスが同じ通信媒体を共有し、競合してアクセスする方式です。例としてCSMA/CD(キャリアセンス多重アクセス/衝突検出)があります。

ポーリング/セレクティング方式: 中央制御装置が各デバイスにアクセス権を与える方式です。ポーリングは順番にデバイスを確認し、セレクティングは特定のデバイスにアクセス権を与えます。

HDLC(High-Level Data Link Control): 高度なデータリンク制御プロトコルで、フレーム化、エラー検出、再送信などの機能を提供します。

マルチリンク手順: 複数の通信リンクを束ねて、一つの論理的なリンクとして扱う手法です。帯域幅の向上と冗長性を提供します。

相手固定: 特定の相手と固定された通信を行う方式です。

交換方式: コネクションの確立と解放を含む通信方式で、データの確実な伝送を行います。

コネクション方式: 通信を開始する前に送受信者間でコネクションを確立し、データ伝送後にコネクションを解放する方式です。例としてTCP(Transmission Control Protocol)があります。

コネクションレス方式: 各データパケットが独立して送信され、コネクションの確立を行わない方式です。例としてUDP(User Datagram Protocol)があります。

パリティチェック: データのエラー検出方法で、各バイトにパリティビットを追加して、エラーを検出します。

CRC(Cyclic Redundancy Check): データのエラー検出方法で、データに付加されたCRCコードを用いてエラーを検出します。

ハミング符号: エラー検出と訂正が可能な符号で、データに冗長ビットを追加して、エラー訂正を行います。

ビット誤り率: 伝送されたビット数に対する誤ったビット数の割合を示し、通信品質の指標となります。

SYN 同期: 同期ビットを用いて送受信者間で通信の同期を取る方法です。

フラグ同期: フラグビットを用いてデータフレームの開始と終了を示し、同期を取る方法です。

フレーム同期: データフレームの開始と終了を識別するための方法で、正確なデータ伝送を保証します。

メディアアクセス制御

データの送受信方法や誤り検出方法などを規定する MAC(Media Access Control:メディアアクセス制御)の仕組みと特徴を理解する。また、アクセス制御の目的、アクセス制御手法の代表的な種類と仕組みを理解する。

MAC(Media Access Control): データリンク層のサブレイヤーであり、物理媒体へのアクセスを制御します。MACは、データの送受信方法、誤り検出方法、および衝突の管理方法を規定します。

CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection): CSMA/CDはイーサネットで使用されるアクセス制御手法で、通信チャネルが空いているかどうかを確認してからデータを送信し、衝突が検出された場合には送信を停止し、ランダムな時間後に再送信を試みます。

CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance): CSMA/CAは無線LANで使用されるアクセス制御手法で、通信チャネルが空いているかを確認した後、一定の時間を待ってからデータを送信します。衝突を避けるために、データの送信前に短い信号(RTS/CTS)を交換することがあります。

トークンパッシング: トークンパッシングは、トークンリングネットワークで使用されるアクセス制御手法で、ネットワーク上を循環するトークンを取得したノードだけがデータを送信できます。これにより衝突が防止され、効率的なデータ伝送が可能となります。

衝突(Collision): 複数のノードが同時にデータを送信し、データが干渉し合う現象です。CSMA/CDでは、衝突を検出し再送信を試みる一方、CSMA/CAでは衝突を未然に防ぐように制御します。

アクセス制御の目的: ネットワーク上の通信媒体への公平なアクセスを提供し、データ衝突を防止し、効率的なデータ伝送を実現することです。

アクセス制御手法の代表的な種類と仕組み:

- CSMA/CD: キャリアセンシングとコリジョン検出を組み合わせた手法。主に有線イーサネットで使用されます。

- CSMA/CA: キャリアセンシングとコリジョン回避を組み合わせた手法。主に無線LANで使用されます。

- トークンパッシング: トークンリングネットワークで使用され、トークンを持つノードだけがデータを送信できます。

これらのアクセス制御手法は、ネットワークの特性や使用環境に応じて適切なものが選ばれ、効率的なデータ伝送とネットワークの安定性を提供します。

通信プロトコル

プロトコルとインタフェース

@ TCP/IP

TCP/IP と OSI 基本参照モデルの 7 階層を対比させながら、各層の役割と提供しているインタフェース、代表的なサービスのポート番号(ウェルノウンポート)などを理解します。

OSI基本参照モデルの7階層とTCP/IPの対比:

  1. 物理層 (Physical Layer):
    • 役割: ビット単位のデータ伝送を物理的な接続を通じて行います。
    • TCP/IP: 対応する層は明確には存在しませんが、ハードウェアや物理的な接続に依存します。
  2. データリンク層 (Data Link Layer):
    • 役割: データフレームの伝送と誤り検出、修正を行います。
    • TCP/IP: ネットワークインターフェース層 (Link Layer)
  3. ネットワーク層 (Network Layer):
    • 役割: データパケットのルーティングを行い、異なるネットワーク間の通信を管理します。
    • TCP/IP: インターネット層 (Internet Layer)
    • プロトコル: IP (Internet Protocol)
  4. トランスポート層 (Transport Layer):
    • 役割: エンドツーエンドのデータ伝送を提供し、信頼性やフロー制御を管理します。
    • TCP/IP: トランスポート層 (Transport Layer)
    • プロトコル: TCP (Transmission Control Protocol), UDP (User Datagram Protocol)
  5. セッション層 (Session Layer):
    • 役割: 通信セッションの管理を行い、通信の開始、維持、終了を制御します。
    • TCP/IP: セッション管理はトランスポート層とアプリケーション層で行われます。
  6. プレゼンテーション層 (Presentation Layer):
    • 役割: データの形式変換、暗号化、圧縮を行います。
    • TCP/IP: データの変換や暗号化はアプリケーション層で行われます。
  7. アプリケーション層 (Application Layer):
    • 役割: エンドユーザーに近いネットワークサービスを提供します。
    • TCP/IP: アプリケーション層 (Application Layer)
    • プロトコル: HTTP, FTP, SMTP, DNS など

代表的なサービスのポート番号(ウェルノウンポート):

これらのポート番号は、サービスの識別とアクセス制御に使用され、ネットワーク上の通信を効率的に管理するための重要な役割を果たします。

A データリンク層のプロトコル

TCP/IPネットワークにおいて使用されるデータリンク層レベルのプロトコルは、デバイス間の通信を効率的かつ確実に行うための重要な役割を果たします。以下に、代表的なデータリンク層プロトコルの役割と機能について説明します。

ARP(Address Resolution Protocol)

ARPは、IPアドレスをMACアドレスに変換するプロトコルです。これにより、同一ネットワーク内のデバイスが相互に通信できるようになります。具体的には、ホストが通信相手のIPアドレスを知っている場合に、そのIPアドレスに対応するMACアドレスを取得するためにARPリクエストをブロードキャストし、対象のホストがARPリプライを返す仕組みです。

RARP(Reverse Address Resolution Protocol)

RARPは、ARPの逆の機能を提供します。すなわち、MACアドレスからIPアドレスを取得するためのプロトコルです。これは主にディスクレスワークステーションなどが起動時に自身のIPアドレスを知るために使用されましたが、現在ではDHCPなどのプロトコルに取って代わられています。

PPP(Point-to-Point Protocol)

PPPは、直結された二点間(ポイントツーポイント)でデータリンクを確立するためのプロトコルです。認証、暗号化、圧縮などの機能を提供し、モデムやシリアルリンクなどで使用されます。

PPPoE(Point-to-Point Protocol over Ethernet)

PPPoEは、Ethernet上でPPPセッションを確立するプロトコルです。主にDSLやケーブルモデムなどのブロードバンド接続において、ユーザー認証とIPアドレスの割り当てを行うために使用されます。

IPoE(IP over Ethernet)

IPoEは、Ethernet上で直接IPパケットを伝送するプロトコルです。PPPoEと異なり、追加の認証やセッション管理を行わず、シンプルにIP通信を行うことができます。

VLAN(Virtual Local Area Network)

VLANは、物理的に同一のネットワーク上のデバイスを論理的に分割し、異なるネットワークセグメントとして扱う技術です。これにより、セキュリティの向上やネットワーク管理の柔軟性を実現します。

IEEE 802.1Q

IEEE 802.1Qは、VLANを実現するための標準規格であり、EthernetフレームにVLANタグを追加してデータを伝送します。これにより、複数のVLANを単一の物理ネットワーク上で共存させることができます。

これらのプロトコルは、TCP/IPネットワークのデータリンク層における重要な役割を果たし、ネットワークの効率性と管理性を向上させるために不可欠なものです。

TCP/IPネットワークにおいて使用されるデータリンク層レベルのプロトコルは、デバイス間の通信を効率的かつ確実に行うための重要な役割を果たします。以下に、代表的なデータリンク層プロトコルの役割と機能について説明します。

ARP(Address Resolution Protocol)

ARPは、IPアドレスをMACアドレスに変換するプロトコルです。これにより、同一ネットワーク内のデバイスが相互に通信できるようになります。具体的には、ホストが通信相手のIPアドレスを知っている場合に、そのIPアドレスに対応するMACアドレスを取得するためにARPリクエストをブロードキャストし、対象のホストがARPリプライを返す仕組みです。

RARP(Reverse Address Resolution Protocol)

RARPは、ARPの逆の機能を提供します。すなわち、MACアドレスからIPアドレスを取得するためのプロトコルです。これは主にディスクレスワークステーションなどが起動時に自身のIPアドレスを知るために使用されましたが、現在ではDHCPなどのプロトコルに取って代わられています。

PPP(Point-to-Point Protocol)

PPPは、直結された二点間(ポイントツーポイント)でデータリンクを確立するためのプロトコルです。認証、暗号化、圧縮などの機能を提供し、モデムやシリアルリンクなどで使用されます。

PPPoE(Point-to-Point Protocol over Ethernet)

PPPoEは、Ethernet上でPPPセッションを確立するプロトコルです。主にDSLやケーブルモデムなどのブロードバンド接続において、ユーザー認証とIPアドレスの割り当てを行うために使用されます。

IPoE(IP over Ethernet)

IPoEは、Ethernet上で直接IPパケットを伝送するプロトコルです。PPPoEと異なり、追加の認証やセッション管理を行わず、シンプルにIP通信を行うことができます。

VLAN(Virtual Local Area Network)

VLANは、物理的に同一のネットワーク上のデバイスを論理的に分割し、異なるネットワークセグメントとして扱う技術です。これにより、セキュリティの向上やネットワーク管理の柔軟性を実現します。

IEEE 802.1Q

IEEE 802.1Qは、VLANを実現するための標準規格であり、EthernetフレームにVLANタグを追加してデータを伝送します。これにより、複数のVLANを単一の物理ネットワーク上で共存させることができます。

これらのプロトコルは、TCP/IPネットワークのデータリンク層における重要な役割を果たし、ネットワークの効率性と管理性を向上させるために不可欠なものです。

B ネットワーク層のプロトコル

IP(Internet Protocol)は、インターネットや他のネットワーク上でデータを送受信するための基本的な通信プロトコルです。IPの主な役割と機能について説明します。

IPアドレス

IPアドレスは、ネットワーク上のデバイスを一意に識別するための数値です。IPv4では32ビット、IPv6では128ビットのアドレスを使用します。

サブネットアドレスとサブネットマスク

サブネットアドレスは、ネットワークを小さなセグメントに分割するために使用されます。サブネットマスクは、IPアドレスをネットワーク部とホスト部に分けるためのビットマスクです。例えば、IPv4のサブネットマスクは通常、255.255.255.0のように表記されます。

物理アドレス

物理アドレス(MACアドレス)は、ネットワークインターフェースカード(NIC)に割り当てられる一意の識別子です。IPアドレスがネットワーク層で使用されるのに対し、物理アドレスはデータリンク層で使用されます。

ルーティング

ルーティングは、データパケットが送信元から目的地まで最適な経路を通るようにするプロセスです。ルータは、ルーティングテーブルを使用して、パケットの次のホップ(転送先)を決定します。

ユニキャスト、ブロードキャスト、マルチキャスト

ユニキャストは、単一の送信元から単一の受信者にデータを送信する方式です。ブロードキャストは、単一の送信元からネットワーク上の全てのデバイスにデータを送信する方式です。マルチキャストは、特定のグループのデバイスにデータを送信する方式です。

ICMP(Internet Control Message Protocol)

ICMPは、ネットワークの状態を管理するためのプロトコルです。例えば、pingコマンドはICMPエコー要求メッセージを使用して、他のホストが到達可能かどうかを確認します。

CIDR(Classless Inter-Domain Routing)

CIDRは、IPアドレスの割り当てとルーティングの効率を向上させるための方法です。CIDRでは、クラスフルアドレッシングに代わって可変長のサブネットマスクを使用します。例えば、192.168.0.0/24のように表記されます。

IPv6

IPv6は、IPv4の後継となるプロトコルであり、アドレス空間の拡大、セキュリティの向上、パフォーマンスの改善などを目的としています。IPv6アドレスは128ビット長で、膨大な数の一意なアドレスを提供します。

IPは、ネットワーク上でのデータ通信を可能にする基盤技術であり、その役割と機能はネットワークの設計と運用において非常に重要です。

C トランスポート層のプロトコル

TCP(Transmission Control Protocol)とUDP(User Datagram Protocol)は、インターネット上でデータを送受信するための主要なトランスポート層プロトコルです。これらの役割と機能について説明します。

TCP(Transmission Control Protocol)

TCPは、信頼性の高いデータ転送を提供するプロトコルです。その主要な特徴と機能は以下の通りです。

UDP(User Datagram Protocol)

UDPは、軽量で高速なデータ転送を提供するプロトコルです。その主要な特徴と機能は以下の通りです。

TCPとUDPは、それぞれ異なる用途に適しています。TCPは信頼性が重視されるアプリケーション(例えば、ウェブブラウジング、電子メール)に適しており、UDPは低遅延が重視されるアプリケーション(例えば、ビデオストリーミング、オンラインゲーム)に適しています。

D アプリケーション層のプロトコル

ここでは、主要なインターネットプロトコルの役割と機能について説明します。

HTTP(HyperText Transfer Protocol)

HTTPは、ウェブブラウザとウェブサーバー間でデータを送受信するためのプロトコルです。主にウェブページのリクエストとレスポンスに使用され、ポート番号80を使用します。

SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)

SMTPは、電子メールの送信に使用されるプロトコルです。メールクライアントからメールサーバー、またはメールサーバー同士の間でメールを転送する際に利用されます。ポート番号25を使用します。

POP(Post Office Protocol)

POPは、電子メールを受信するためのプロトコルです。主に、メールサーバーからローカルデバイスにメールをダウンロードする際に使用されます。最新バージョンのPOP3はポート番号110を使用します。

FTP(File Transfer Protocol)

FTPは、ファイルをサーバーとクライアント間で転送するためのプロトコルです。大容量ファイルの転送に適しており、ポート番号20と21を使用します。

DNS(Domain Name System)

DNSは、ドメイン名をIPアドレスに変換するためのプロトコルです。ユーザーが覚えやすいドメイン名を使ってインターネット上のリソースにアクセスできるようにします。ポート番号53を使用します。

その他のプロトコル

これらのプロトコルは、それぞれ異なる目的と機能を持っており、インターネットやネットワークの様々な部分で利用されています。

DNS(Domain Name System)

リソースコードの種類

SOA(Start O Authoritty)
ドメイン名の定義を行うレコードで、ゾーン情報を管理する責任者や情報の有効期限などを指定する
ドメインのDNSサーバ名、ドメイン管理者のメールアドレス
シリアル番号:ゾーンの情報のバージョン
更新間隔(refresh):このゾーンのゾーン転送間隔時間(秒)
転送再試行時間(retry):ゾーン転送に失敗した場合の再試行間隔(秒)
レコード有効期間(expire):ゾーン情報を最新と確認できない場合の有効時間(秒)
キャッシュ有効期間(TTL):このゾーン情報をキャッシュする場合の有効時間(秒)

NS(NameServer)レコード
特定のドメイン(ゾーン情報)を管理しているDNSサーバ名の定義レコード
A(Address)レコード
ホスト名とIPアドレスの対応を記述してIPアドレスを通知するレコード
CNAME(Canonical NAME)レコード
ドメイン名のエイリアス(別名)の定義レコード

MX(MaileXchanger)レコード
メールアドレスの@以降のドメイン名に対するメールの転送先メールサーバ名の定義レコード

PTR(PoinTeR)レコード
IPアドレスからドメイン名を調べるための逆引き用レコード
SRV(SeRVicelocaor)レコード:そのドメイン名で利用可能なサービスの情報などを指定するレコード
HINFO(HostINFOrmation)レコード:ホストのOSやCPUを指定するレコード
TXT(TeXT)レコード:ホストへのテキスト情報で、管理者が自由に登録できる情報

ゾーン:DNSサーバが管理する範囲

ゾーン情報:特定のドメインに対してインターネット上で名前解決を行わせるために必要なDNSの情報

移設
変更場所:設置場所
ホスト名:変更なし
IPアドレス:変更有
変更内容:Aレコード(IPアドレス)

切り替え
変更場所:サーバ
ホスト名:変更なし
IPアドレス:変更有
変更内容:
Aレコード、CNAMEレコード

名前ベース

振り分け基情報:ドメイン名
IPアドレス:一つ
ドメイン名:複数
DNSの設定:一つのAレコード、複数のCNAMEレコード

IPベース

振り分け基情報:宛先IPアドレス
IPアドレス:複数
ドメイン名:複数
DNSの設定:複数のAレコード
















一つのドメイン名に複数のIPアドレスを割り当てる→複数のAレコード

一つのIPアドレスに複数のドメイン名を割り当てる(仮想ホスト)


E LAN と WAN のインタフェース

ここでは、LANとWANで使用される代表的なインタフェースの役割と機能について説明します。

イーサネット(Ethernet)

イーサネットは、LAN(ローカルエリアネットワーク)で最も一般的に使用される通信プロトコルです。イーサネットの規格には以下のような種類があります:

無線LAN(Wireless LAN)

無線LANは、電波を利用してデータを送受信するLANの一種です。無線LANの規格には以下のような種類があります:

また、無線LANの中でも特に有名な規格がWi-Fiです。Wi-Fiは、無線LANデバイス間の相互運用性を保証するためのブランド名です。

ISDN(Integrated Services Digital Network)

ISDNは、デジタル通信サービスであり、音声、データ、映像などのサービスを統合的に提供します。ISDNには2つの主なインタフェースがあります:

メッシュWi-Fi

メッシュWi-Fiは、複数のアクセスポイントを使用して広範囲にわたる無線ネットワークを構築する技術です。これにより、従来のWi-Fiよりも広い範囲で強力な信号を提供し、デッドゾーンを減らすことができます。

これらのインタフェースは、それぞれ異なる用途や環境に適応しており、LANやWANでのデータ通信を効率的に行うための基盤を提供しています。

F CORBA

ここでは、CORBA(Common Object Request Broker Architecture)の役割と機能について説明します。

CORBAとは何か

CORBAは、異なるプログラム言語やネットワークプロトコルに依存せずに、異機種分散環境でシステム統合を実現するための標準規格です。CORBAを使用すると、異なるプラットフォーム間でオブジェクト指向プログラミングによる通信が可能となります。

分散オブジェクト技術

CORBAの基盤となる技術は分散オブジェクト技術です。この技術により、ネットワークを介して分散しているオブジェクトを透過的に操作することが可能です。分散オブジェクト技術の主な要素としては、以下があります:

クライアントとオブジェクトサービス

CORBAでは、クライアントはリクエストをORBに送信し、ORBはリクエストを適切なオブジェクトサービスに転送します。オブジェクトサービスは、リクエストされた処理を実行し、その結果をクライアントに返します。

リクエストアプリケーションオブジェクト

リクエストアプリケーションオブジェクトは、クライアントからのリクエストを処理するためのオブジェクトです。これらのオブジェクトは、ネットワークを介して分散しているため、ORBを通じて通信が行われます。

CORBAは、これらの要素を組み合わせることで、異なるプログラム言語やネットワークプロトコルに依存しないシステム統合を実現します。これにより、企業や組織は既存のシステムを統合し、新しいサービスやアプリケーションを開発する際の柔軟性を高めることができます。

ネットワーク管理

ネットワーク運用管理

@ 構成管理

ここでは、構成管理の管理方法について説明します。

構成管理とは

構成管理は、システムやネットワークの構成情報を維持し、変更を記録・管理するプロセスです。これにより、システムの整合性を保ち、変更による問題を最小限に抑えることができます。

ネットワーク構成

ネットワーク構成管理では、ネットワークデバイス(ルータ、スイッチ、ファイアウォールなど)の設定や接続状態を管理します。これにより、ネットワーク全体の状態を把握しやすくなり、トラブルシューティングや変更管理が容易になります。

バージョン管理

バージョン管理は、ソフトウェアやシステム構成の変更を追跡するための方法です。各変更に対して一意のバージョン番号を割り当てることで、どのバージョンが現在使用されているかを明確にし、必要に応じて特定のバージョンに戻すことができます。

構成管理の管理方法

構成管理の主な管理方法には以下のようなものがあります:

構成管理のメリット

構成管理を適切に行うことで、以下のようなメリットがあります:

構成管理は、システムやネットワークの安定運用に欠かせない重要なプロセスです。適切な管理方法を導入し、変更を効果的に管理することが求められます。

A 障害管理

ここでは、障害の検出、分析、対応を行う障害管理の管理方法について説明します。

障害管理とは

障害管理は、システムやネットワークで発生する障害を迅速に検出し、適切に対応するためのプロセスです。これにより、システムの可用性を維持し、サービスの中断を最小限に抑えることができます。

障害管理の管理方法

1. 情報収集

障害が発生した場合、まずは情報収集を行います。ログファイル、システムモニタリングツール、ユーザーからの報告などを通じて、障害の詳細な情報を収集します。情報収集の目的は、障害の範囲、影響、発生時刻などを把握することです。

2. 障害の切分け

次に、障害の切分けを行います。これは、障害の原因を特定するために必要なプロセスです。各コンポーネントを順に確認し、正常に動作している部分と障害が発生している部分を区別します。この段階では、影響範囲を最小限に抑えつつ、問題のある部分を特定することが重要です。

3. 障害原因の特定

障害の切分けが完了したら、次に障害の原因を特定します。ログの詳細な分析、システムの設定確認、過去の障害履歴の参照などを通じて、具体的な原因を突き止めます。場合によっては、追加の情報収集やテストが必要になることもあります。

4. 復旧措置

障害の原因が特定されたら、復旧措置を講じます。これは、システムやサービスを正常な状態に戻すためのアクションです。具体的な復旧措置は障害の内容によりますが、一般的には設定の修正、再起動、ハードウェアの交換などが含まれます。

5. 記録

障害の対応が完了したら、すべてのプロセスを記録します。障害の発生原因、対応手順、復旧にかかった時間、再発防止策などを詳細に記録し、将来の障害対応の参考にします。記録は、障害管理のプロセスの改善や、同様の障害が再発した際の迅速な対応に役立ちます。

障害管理のメリット

障害管理を適切に行うことで、以下のようなメリットがあります:

障害管理は、システム運用において非常に重要なプロセスであり、適切な方法を導入して障害に迅速に対応することが求められます。

B 性能管理

ここでは、トラフィック量と転送時間の関係の分析を通じたネットワークの性能管理方法について説明します。

ネットワークの性能管理とは

ネットワークの性能管理は、ネットワークの効率的な運用を維持し、パフォーマンスを最適化するためのプロセスです。これには、トラフィック量の監視、転送時間の分析、ネットワークのボトルネックの特定、適切な対応策の実施などが含まれます。

トラフィック量と転送時間の関係

トラフィック量とは、ネットワークを通じて送受信されるデータの総量です。転送時間は、データが送信元から受信先に到達するまでの時間を指します。これらの関係を理解することは、ネットワークの性能を最適化する上で重要です。

トラフィック監視

トラフィック監視は、ネットワークのパフォーマンス管理の基本となる活動です。具体的な方法には以下のようなものがあります:

トラフィック量の分析

トラフィック量の分析は、ネットワークの性能管理において重要なステップです。これにより、ネットワークの利用状況を把握し、トラフィックのピーク時間やボトルネックを特定することができます。分析の具体的な手法には以下のようなものがあります:

転送時間の分析

転送時間の分析もネットワークの性能管理において重要です。転送時間が長くなる原因として、ネットワークの帯域幅不足や遅延、パケットロスなどが考えられます。具体的な分析方法には以下のようなものがあります:

ネットワークのボトルネックの特定と対応策

トラフィック量と転送時間の分析を通じて、ネットワークのボトルネックを特定します。ボトルネックが特定された場合、以下のような対応策を講じることが可能です:

ネットワークの性能管理は、システムの安定運用に不可欠です。適切なトラフィック監視と分析を通じて、ネットワークのボトルネックを早期に特定し、適切な対応策を講じることで、ネットワークのパフォーマンスを最適化することができます。

(2)ネットワーク管理ツール

ネットワーク管理に利用されるツールは、ネットワークの監視、トラブルシューティング、設定確認などの目的で使用されます。ここでは、代表的なツールである ping、ifconfig、arp、netstat の機能と仕組みについて説明します。

ping

ping(Packet Internet Groper)は、ネットワークの接続性を確認するためのツールです。指定したIPアドレスに対してICMP(Internet Control Message Protocol)エコーリクエストを送信し、その応答(エコーリプライ)を受信することで、ネットワークが正常に動作しているかを確認します。

ifconfig

ifconfig(interface configuration)は、ネットワークインターフェースの設定や状態を表示するためのツールです。主にUnix系オペレーティングシステムで使用されます。

arp

arp(Address Resolution Protocol)は、IPアドレスを物理アドレス(MACアドレス)に変換するプロトコルです。arpツールは、このプロトコルに関連する情報を表示・管理するために使用されます。

netstat

netstat(network statistics)は、ネットワーク接続の状態やルーティングテーブル、インターフェースの統計情報などを表示するツールです。

これらのツールを活用することで、ネットワークの状態を把握し、問題の特定や解決を迅速に行うことができます。ネットワーク管理者にとっては必須のスキルです。

(3)SNMP

ネットワークを構成する機器を集中管理するためのプロトコルである SNMP(Simple Network Management Protocol)と MIB(Management Information Base:管理情報ベース)を使用したトラフィック解析方法について説明します。

SNMP(Simple Network Management Protocol)

SNMP は、ネットワーク管理において広く使用されているプロトコルで、ネットワーク機器の監視や管理を行うために用いられます。SNMP を使用することで、ネットワーク管理者はリモートで機器の状態を監視し、設定を変更することができます。

MIB(Management Information Base:管理情報ベース)

MIB は、SNMP におけるデータの構造を定義するデータベースです。各ネットワーク機器のパラメータやステータス情報は MIB に格納されており、SNMP を通じてこれらの情報にアクセスすることができます。MIB はオブジェクト識別子(OID)と呼ばれるツリー構造を持ち、各情報項目に一意の識別子が割り当てられています。

トラフィック解析方法

SNMP と MIB を使用したトラフィック解析は、以下のような手順で行います。

  1. SNMP エージェントの設定: 管理対象のネットワーク機器に SNMP エージェントを設定し、必要な MIB オブジェクトを有効にします。
  2. SNMP 管理ステーションの設定: SNMP 管理ステーション(監視サーバ)に監視対象機器の IP アドレスやコミュニティ名(セキュリティパラメータ)を設定します。
  3. get 要求によるデータ収集: SNMP 管理ステーションから SNMP エージェントに対して get 要求を送信し、MIB に格納されたトラフィック情報(例えばインターフェースの送受信パケット数やエラーパケット数など)を取得します。
  4. トラフィックデータの解析: 収集したトラフィックデータを解析し、ネットワークの利用状況や異常を検出します。特定の期間におけるトラフィック量の変化をグラフ化したり、異常値をアラートとして設定したりします。

このように、SNMP と MIB を活用することで、ネットワーク全体のトラフィック状況を効率的に監視・管理し、迅速なトラブルシューティングが可能となります。

(4)仮想ネットワーク

ネットワークの仮想化は、従来の物理ネットワークインフラの制約を解消し、柔軟でスケーラブルなネットワークを実現する技術です。以下では、ネットワーク仮想化の仕組み、特徴、および主要な構成要素について説明します。

ネットワークの仮想化の仕組み

ネットワーク仮想化では、ネットワークの制御とデータ転送の機能を分離し、ソフトウェアによってネットワークの管理を行います。これにより、物理的なネットワークハードウェアに依存せず、柔軟にネットワークを構築、変更、管理することが可能になります。

特徴

構成要素

SDN(Software-Defined Networking)

SDN は、ネットワークの制御プレーン(Control Plane)とデータプレーン(Data Plane)を分離する技術です。SDN コントローラがネットワーク全体を一元管理し、ネットワーク機器に対して動的に設定を変更します。

SD-WAN(Software Defined WAN)

SD-WAN は、広域ネットワーク(WAN)をソフトウェアで制御する技術です。企業の拠点間を接続する WAN を仮想化し、複数の通信経路を効率的に利用します。

NFV(Network Functions Virtualization)

NFV は、従来ハードウェアで提供されていたネットワーク機能をソフトウェアで実現する技術です。ファイアウォール、ルータ、ロードバランサなどのネットワーク機能を仮想化し、一般的なサーバで実行します。

これらの技術を組み合わせることで、柔軟で効率的なネットワークインフラを実現し、企業のネットワーク管理や運用を大幅に改善することが可能になります。

ネットワーク応用

インターネット

@ 電子メール

電子メールシステムは、メールサーバとメールクライアントで構成されています。送信したメールは、メールサーバから別のメールサーバへリレー方式で配送され、最終的に受信者のメールサーバに届きます。以下に、電子メールシステムの特徴と主要な機能について説明します。

電子メールシステムの構成と仕組み

電子メールシステムは、主に以下の2つのコンポーネントで構成されています。

メールの送信プロセスは、送信者のメールクライアントからメールサーバにメールが送られ、そのメールサーバが受信者のメールサーバへリレーして配送されます。受信者は、自分のメールサーバからメールクライアントを使ってメールを取得します。

主要なプロトコルと用語

電子メールシステムの特徴と機能

これらのプロトコルと機能により、電子メールシステムは信頼性が高く、柔軟で拡張性のある通信手段として広く利用されています。

A Web

WWW(World Wide Web)は、インターネット上で提供されるハイパーテキストのシステムです。Webサーバとクライアント(Webブラウザ)を利用してアクセスします。以下に、Webシステムの仕組み、特徴、および主要な用語について説明します。

WWWの基本概念と仕組み

Webアプリケーションシステムの仕組みと特徴

Webシステムの特徴と機能

これらの要素により、WWWは強力で柔軟な情報システムとして広く利用されています。Webアプリケーションは、ユーザーのリクエストに応じて動的にコンテンツを生成し、セキュリティとセッション管理を提供することで、信頼性の高いサービスを実現しています。

B ファイル転送

FTP(File Transfer Protocol)は、ネットワーク上でファイルを転送するためのプロトコルです。FTPサーバとクライアントの仕組み、Webへの組込み方式の特徴、機能について説明します。

FTPサーバとクライアントの仕組み

FTPの基本的な操作

FTPの動作モード

簡易ファイル転送プロトコル (TFTP)

WebへのFTPの組込み方式

FTPの特徴と機能

これらの要素により、FTPはネットワーク上でのファイル転送に広く利用されています。特にWebサイトの管理やネットワーク機器の設定更新など、さまざまな場面でその利便性が発揮されています。

(Trivial File Transfer Protocol) C 検索エンジン

Web環境で利用される代表的な検索エンジンの仕組みと特徴について説明します。

全文検索型検索エンジン

ディレクトリ型検索エンジン

ロボット型検索エンジン

これらの検索エンジンは、それぞれの仕組みや特徴によって異なるアプローチでWeb上の情報を収集し、ユーザーに提供しています。現在では、主に全文検索型とロボット型検索エンジンが広く利用されており、ユーザーが求める情報に迅速かつ正確にアクセスできるように設計されています。

イントラネット

イントラネットは、インターネットの技術を企業内ネットワークの構築に応用したものです。イントラネットの仕組み、特徴、機能について説明します。

イントラネットの仕組み

イントラネットの特徴

イントラネットの機能

用語の説明

イントラネットを活用することで、企業は情報の共有やコミュニケーションを円滑にし、業務効率を向上させることができます。また、セキュリティを確保しながらコストを削減できるため、多くの企業が導入しています。

エクストラネット

エクストラネットは、企業のイントラネットを相互接続して、外部のビジネスパートナーや顧客と情報を共有するためのネットワークです。以下にエクストラネットの仕組み、特徴、機能について説明します。

エクストラネットの仕組み

エクストラネットの特徴

エクストラネットの機能

用語の説明

エクストラネットは、企業間のコラボレーションや効率的な業務遂行を支える重要なネットワーク技術です。ビジネスパートナーや顧客とのリアルタイムな情報共有を実現し、業務プロセスの効率化とコスト削減に貢献します。

(4)ネットワーク OS

ネットワークOS(Network Operating System)は、ネットワーク管理や通信サービスの提供を専門に行うソフトウェアで、ネットワーク全体のリソースを管理し、クライアントやデバイス間の通信をサポートするための機能を提供します。以下に、ネットワークOSの仕組み、特徴、機能について説明します。

ネットワークOSの仕組み

ネットワークOSの特徴

ネットワークOSの機能

用語の説明

ネットワークOSは、企業のネットワークインフラの中核を担い、効率的なリソース管理とセキュリティの確保を実現します。ピアツーピア形式やクライアントサーバ形式といった異なるネットワーク構成に対応し、ネットワークの規模やニーズに応じた柔軟な運用が可能です。

通信サービス

通信サービスにはさまざまな種類があり、それぞれ特徴や利用条件が異なります。以下に、代表的な通信サービスの種類、特徴、機能、利用条件、およびサービス選択上の留意事項を説明します。

代表的な通信サービスの種類

専用線サービス

回線交換サービス

パケット交換サービス

IP電話

xDSL(Digital Subscriber Line)

FTTH(Fiber To The Home)

衛星通信サービス

国際通信サービス

広域Ethernet

IP-VPN

ベストエフォート

各通信サービスの特徴や利用条件を理解し、目的や利用環境に応じて最適なサービスを選択することが重要です。

モバイルシステム

@ モバイル通信サービス

モバイル通信サービスは、移動中でも安定した通信を提供するためのサービスです。以下に、モバイル通信サービスの種類、特徴、サービス選択上の留意事項について説明します。

モバイル通信サービスの種類と特徴

移動体通信事業者(MNO:Mobile Network Operator)

仮想移動体通信事業者(MVNO:Mobile Virtual Network Operator)

LTE(Long Term Evolution)

VoLTE(Voice over LTE)

5G(第5世代移動通信システム)

キャリアアグリゲーション

SIMカード

サービス選択上の留意事項

これらのポイントを踏まえて、自分に最適なモバイル通信サービスを選択することが重要です。

A モバイルシステム構成要素

モバイルシステムは、移動体通信を支える様々な構成要素で成り立っています。それぞれの構成要素の特徴と機能について説明します。

モバイルシステムの構成要素

基地局

フェムトセル

携帯端末

テザリング

テレマティクス

モバイルシステムの特徴と機能

モバイルシステムの構成要素は、現代の通信環境を支えるために重要な役割を果たしており、それぞれが特定の機能と特徴を持っています。これらの技術を理解することで、より効果的にモバイルシステムを活用することができます。

B モバイル通信技術

無線 LAN を含め、無線通信で用いられる基盤技術の特徴を以下に説明します。

無線通信の基盤技術

ハンドオーバー

ローミング

MIMO(Multiple Input Multiple Output)

モバイル通信の省電力化技術

LPWA(Low Power Wide Area)

軽量プロトコル

IoTエリアネットワーク

IEEE 802.11ah

これらの技術を理解することで、無線通信システムの設計や運用に役立てることができます。それぞれの技術は特定の用途や環境に応じて適用され、無線通信の効率性と信頼性を向上させます。

科学の部屋[工学・化学]