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より専門的な本を買う

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教科書的入門書の購入

大衆向けの入門書を一通り読み終えたところで、大学の講義に使われているような教科書を選ぶ。ここからやっと本格的に勉強しているという気分になってくる。  ここで選ぶ教科書は、大学の講義での使用を想定して書かれていることが少なくない。学問の基礎を学ぶうえで十分な内容が提供してあり、勉強を次の段階へ進むためには最適な本である。入門書を読んでいるので、本の中身を見て買えるようになっているだろう。今回選ぶポイントは、はしがきと目次を見ることである。  

はしがきには主に読者の想定、著書の概要、著者の主張が書かれている。大学の講義用と明記されている本もある。前の段階で買われた本のはしがきと読み比べてみよう。今まで読んできた本は、この分野を専門としない一般人向けに書かれている。今回は、学問として勉強していく人を想定していることがはしがきから読み取れるはずだ。  

書かれている内容に関しては、目次を見ることでだいたい把握できる。興味のある箇所があれば、そこを開いて読んでみよう。見出しと内容がずれていないか、説明が明確であるか、などを調べる。これは本を吟味するうえで重要な点である。できれば数箇所確認しておいたようがよい。あまり与太話が多いと、ほんの厚さの割に内容が薄いおそれがある。慣れてくると本をぱらぱらめくるだけで、だいたいの内容や本の善し悪しがわかるようになってくる。  

すでに読んだ入門書の読書ガイドや参考文献に書かれていた本も視野に入れて買う本を吟味していく。読書ガイドがついていると本を選ぶのに非常に役立つ。参考文献が文中に含まれている場合もあるので、興味を持った本があれば、メモや目印を付けていたほうがよい。多く参考文献として載っているものは、この分野では定番の書籍だということだ。最優先に購入する必要がある。  

この段階から古本屋の利用をおすすめする。まずは学習している分野の学部がある大学を探し、その近くにある古本屋に行くことだ。なぜかというと講義が終わり不要になった本を学生が売りに来るため、分野の本が手に入りやすくなるのだ。講義で使った本を将来のために取っておくような学生ばかりではない。自分で買わずに図書館ですます学生さえいる。講義が終われば用なしなのである。このおこぼれにありつくには、前期が終わる10月前、特に多いのが卒業シーズンの三月だ。その時期をねらって古本屋に行く。多少探すのに手間がかかるが、費用が安くすむので有効に利用したい。  

もちろん、文庫本やその他の入門書の購入に利用しても構わないが、なかなかピンポイントで探し当てることは難しい。数か所まわっても効率がよくない。最近の大型古本屋(新古書店)では、多くのスペースが漫画本で占められていて、思ったほど一般書籍は多くない。特に新古書店は本の回転がよいので、まめに足を運ばなければならない。古本屋の利用は、ベストセラーになった本と専門書に限ったほうがよいだろう。   

専門書へステップアップ

 

この段階まで進んでくると、基礎知識はもうだいぶ身に付いているだろう。実感はなくても潜在的に情報は頭に入っている。これからどんどん専門書を読んでいく段階だ。興味のある内容の本を探し出し、中身を吟味して買う。気に入った著者の本を読み進んでいくのも効果的だ。その人が持っている感覚がわかり、学問を細分化し極めていくのにも役立つ。だが一つの考えを鵜呑みにしてしまうと、得られる知識が偏ってしまう危険がある。あくまで視野を広く持ったうえでの話である。  

反対に、本を読んでいて理解不能だったり全く共感できなかったり、内容が薄い著者がいたら、二度と読まないというぐらいの覚悟が必要だ。貴重な時間とお金の無駄使いをさせた罪は重い。  

専門書を読んでいくだけではなく、関連した分野にまで手を広げていくとよい。はじめは大衆向けの入門書を読む程度でよいので、幅広い知識を身に付けるようにしよう。視野が広がると、別の見方ができて発見が生まれるものだ。せっかくだから興味を持つ範囲を広くするきっかけにしていきたい。   

本による学習/ 買った本を読む/ 本の精読/ 理解を深める

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