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本による学習

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独学の入口として、本による学習方法を説明する。今から勉強する分野にどれだけの予備知識を持っているかにもよるが、できるだけ少ない予算と時間で多くの知識を得るには、本を読むことが最適であり学問の基本でもある。その分野の専門家が数百ページにわたって書かれている内容をほかの情報媒体で探そうとすると、莫大な時間がかかる。情報を得るコストを考えると、本による学習が一番である。できるだけ多くの情報に触れることが学習の近道なのだ。   

新書・文庫本の購入

 

いよいよ勉強を始めるときがやってきた。本を買って読むことが第一歩である。これから本を買うわけだが、どこから手をつけてよいかわからない。たくさんの分野の本があって選べない。そのような疑問に答えながら説明する。  

最初の段階として、勉強する分野の新書と文庫本を購入する。新書と文庫本を選んだ理由は、1冊当たりの価格が500〜1000円と安価であることと、新書や文庫本が相次いで創刊されていて本の量が増加している点だ。一番の利点は価格が安いことである。同じ予算で単行本を選択するよりも、たくさんの本が買えるのだ。できるだけ多くの本を読むことが知識を得るうえで重要である。  

本は実際に手にとって内容を確認して買いたいので、品揃えのよい大型書店に行く。新書や文庫本は出版社ごとに分類されているので、その中から自分が勉強する分野の本を探し出す。分野別に分けられていないため、目的の本を探すのに多少苦労するかもしれない。 

大型書店でもすべての本が置かれてあるわけではないので、数か所にわたって探すことになる。書店によって品揃えが異なるので、店ごとの個性を見極める必要がある。一般的に、単行本よりも品揃えが豊富なので、この段階では探しやすい。本の後ろ側にその新書や文庫本に関連する本が載っている場合が多いので、本を買う参考にされるとよい。  

どうしても書店に置かれていない本がある。ほかにもよい本があるのではないか。こんな疑問をもたれることもあるだろう。本の題名や著者、出版社がわかっているのならば、書店に取り寄せを頼まれるとよい。  

未知の本を探すにはどうすればよいか。手当り次第に書店を物色するのも効率が悪い。そこでインターネット書店をおすすめする。インターネットを利用できる環境にあれば、書店を巡るよりも能率的である。実際に本を手にとって見ることができない欠点があるが、この導入段階ではたくさんの本を読むことに重点を置いているので、それほど問題はない。学習する分野に関連する単語を入力して本を検索する。新書と文庫本に限定して選ぶ。あとは選んだ本を購入して、郵送されるのを待ってればよいのだ。  

大衆向けの入門書

 

広義でいえば新書や文庫本も含まれるだろうが、別にした。大衆向けの入門書は分野の幅広い知識が書いてあって、新書や文庫本と違って分野別に置かれている。入門書はあまり詳しくは説明されていないが、初めて勉強する人にとって敷居の低いところから入っていくほうがとっつきやすい。学問の何たるかがわかるので、次のステップへ進みやすく、独学の入口には最適な本である。  

大衆向けの入門書を最初に持ってこないで新書と文庫本の後に持ってきたのは理由がある。新書は、2000円程度で売られている単行本に比べても書かれている内容に遜色はない。文庫本にいたっては単行本が数年後、文庫化されているだけである。(文庫本のために書き下ろされたものもある)定価が約3分の1なのでコストが安くすむのが一番の理由である。入門書の場合は書かれている内容の割には価格が1000〜2000円と高い。概論が書かれているので必要なのだが優先して買ってしまうと、限られた予算の中新書や文庫本の購入にしわ寄せが来るからだ。  

入門書は数冊買うほうがよいのだが、財布の都合で1冊に絞りたいという人もいるだろう。そこで本の吟味をするわけだが、本の善し悪しはなかなかわかりにくく、選択に迷われるかもしれない。そこで簡単に選べるポイントを二つ挙げる。  

一つは、初版ができるだけ新しい発行日の本を選ぶことだ。古い本が悪いとは言わないが、できるだけ新しい情報を得るほうがよい。情報が刻々と変化する理系や法律などの本は特に注意する。  

二つは、刷数を多く重ねている本を選ぶことだ。これはその本がたくさん売れていることを示している。多くの人が買うのにはそれなりの理由があるのだ。  

これで必ずしも良書を選べるとは限らないので、あくまでも参考として考えていただきたい。  

勉強する分野に全く触れたことがない初心者の場合、多く出版されている新書・文庫本の中から、必要な本を選ぶことができないおそれがある。タイトルや目次を見ても、学問の中に入っている内容なのか、わからない。的外れな本ばかり買ってしまいかねない。こういう迷った人は、まずこの入門書を買うことをすすめる。初めての――、――入門とわかりやすいタイトルが多く、専門ごとに棚が分かれているので失敗する可能性は少なくなる。入門書の中から、次の段階に進みやすいように参考文献・読書ガイドが充実しているものを選ぶ。それがなくても、一冊読むことで分野の本であるかはわかるようになるはずだ。  

この段階で購入した本は学習の第一歩としては十分な量で、最低限のお金の負担で最大限の知識が得られることを保証する。   

買った本を読む/ より専門的な本を買う/ 本の精読/ 理解を深める

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