雨宮勇徒の研究室教育問題

基礎学力の充実

簡単な算数の問題が解けない大学生が存在する。小学校のころの基礎知識がしっかりと身に付いておらず、年をとるごとに忘れている状態である。知識偏重といわれている教育を実施していたにもかかわらずだ。これではいくら勉強させても、今の教育形態では無意味ではないかと疑問を持たざるをえない。  

今の学校教育は知識を詰め込む教育と考えられている。実際に授業の大半が教える時間に割かれているのだが、結果的には知識が身に付いていない。それは学校や家庭でテストの点数だけで学力がはかられているからだ。学校側はテストの結果に重きを置き、入試のために勉強させる。子供たちは良い成績をとるために、学校に入学するために勉強しているのである。学校教育への態度、やる気の低下も重なって、どんどん勉強量が減っている。子供たちはノルマを満たすための勉強しかやらなくなっている。ただその場しのぎの知識を身に付ける勉強の繰り返しをしているだけなのだ。それではしっかりとした学力が築かれるわけはなく、あやふやな知識が時間とともに剥がれていき、学問の基礎も身に付いていない状態になっている。  

基礎学力を充実させるということは、本当の意味での知識偏重の教育をすることである。いくら授業時間を増やし、学習する内容を増やしても意味がない。それ以前の基礎学力が抜け落ちているからだ。従来の教育のままでは実現できないので、知識の定着を重視した学習方法に変換するべきである。  

効率的に記憶させるには、繰り返し学習することである。これは学校の授業だけではなく、家庭での予習・復習を行うことが重要になってくる。また理解度を確かめるためのテストを定期的に実施する。知識は覚えたと思っていても、時間が経つと忘れてしまうものである。1か月までなら思い出せないだけで頭の中に残っており、その間に覚え直せば、前よりも忘れにくくなるようである。これらもことから知識を定着するためには、予習・復習を含めた反復学習と、短いサイクル(1か月以内)のテストを併用することが必要だといえる。  

この理解度テストは別に形式張ったものではなくても、授業の合間に行う小テストでもよい。またテストは点数ではなく、どこを間違えたのかが重要である。勘違い、全く覚えていない、計算ミスなど原因をよく調べて、次につなげるためのテストだということを理解しなければならない。  

学校で教えられる知識は、社会生活で必要不可欠なものばかりではない。だが幅広い視野を持つための下地になるものだといえる。将来子供たちがどのような進路を取っても柔軟に対応できるような蓄積をしているのであって、実生活で使わないからといって勉強しなくてもよいということにはならないのだ。  

小学校で3割、中学校で5割、高校で7割の生徒が授業についていけていないといわれている。学年を上がるごとについていけない生徒が増している点や大学生の学力低下の問題を照らし合わせると、子供たちに基礎学力が十分身に付いていないことが原因であると考えてよい。このことから基礎学力の充実の重要性がわかると思う。

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