雨宮勇徒の研究室教育問題

義務教育<教育の内容>

教育改革で論議の中心は、小・中学校の義務教育と97%の進学率を誇る高校の教育についてである。学校内で現在起こっている様々な問題について、学校教育が原因なのか家庭教育なのか考えなければならない。  

無気力や学級崩壊などの問題を引き起こしている子供は、家庭教育に原因があると考えられる。それは誤った躾や食生活によって引き起こされる我慢ができない、自発性がないといった特徴が、子供たちの変化と一致するからだ。適切な家庭教育が行われていないことは明らかである。一方で、実際に教室で起きている問題について、学校・教師側で行う対策も考えなければならない。  

学校教育が原因で引き起こされている問題として挙げられるのは、学力低下がある。算数・数学の基礎ができない、生徒の学力が年々低下しているという問題である。やる気がないといった家庭での教育の影響も考えられるが、定期テストや入試の重みなど知識偏重でありながら学力がつかない現在の教育や、子供たちの学習に対する意識の欠乏に原因があるといえる。子供がやる気になる教育、大人になっても知識が定着している教育に移行するべきである。  

ほとんどの子供たちが通っている高校も実質的な義務教育として考え、12年間のスパンで教育を考える。まず、学校で何を教えればよいかという根本的な問題から考えていかなければならない。現行の学校教育で子供たちの弊害となっていることや社会に出て何が必要かなど、議論の余地がたくさんある。  

学校で起こっている問題をただ抱え込むのではなく、家庭や地域でできることはそちらにやらせるようにする。現在の教育は学校の負担が大きい。家庭教育についてはすでに説明したので、地域で行う教育についても考えたい。

学校の学ぶ場が学習塾やフリースクールなど多様化している。社会の情報化が進み、学校という場で学ぶ必然性が低くなってきた。この学習環境の変化に学校は取り残された状態である。学校の現状を考え、将来性のある教育にしていかなければならない。  

現在の学校教育では知識を教え込むことが重視されていて、自分で考えて学習する教育は大学の卒論とゼミくらいである。総合的な学習の時間が導入されて多少ではあるが新しい教育へと向かってはいるが、大半はまだ知識偏重の教育であることは変わりない。  

入試科目が重視され、ほかの教科は蔑ろになっているおそれがある。これらは自ら体を動かし、自ら考えて行動する教科だ。考える力、「生きる力」が教育機関で軽視されているあらわれではないか。  

新学習指導要領(1998、9年改定)では、総合的な学習の時間の導入とともに、小・中学校では学習内容が3割削減されて教えられる「ゆとり教育」が実施される。基礎学力をしっかりと定着させ、知識の蓄積を確実なものにするための処置である。また余裕があれば教科書を越えた応用分野を教えることができ、柔軟な教育が期待できる。だが先生から一方的に教えられる形態はなくならず、知識を教え込むことに重点が置かれたままである。  

学校以外では、知識を徐々に積み重ねていく学習の機会は少なく、動機や問題が先に来ることが多いものだ。予備知識があろうがなかろうが関係ないので、最初の段階でうまく行かず挫折してしまう場合も多い。それは自立した学習形態が学校教育で養われないからである。勉強したいという気持ちが出たときに自らの手で学習する「くせ」がついていないと、せっかくのやる気が無駄になってしまうのはもったいない話である。  

学校生活で知識を蓄積させる学習のほかに、もっと考える学習を増やすべきである。総合的な学習の時間では、テーマは学校側が決め、それに生徒が従い、自分で学習していく方法をとっている。それだけではなく自分で学習テーマを決めて、自分なりの結論を出していく学習を身に付けさせる機会が必要だ。動機が先にきて、基礎から学んでいく。それを先生が支援して、生徒のものにしていく教育を導入するべきである。  

子供たちが社会に進出するまでに、何を学習させる必要があるか考える。そのためにどのような教育を実施していくのが最適であるか述べていく。  

一つに学力低下で論議を呼んでいる基礎知識の蓄積を、効率よく行う必要がある。視野を広く持たせるためにも、高校程度の知識は重要だと考えられる。  

次に、学校と社会での学習方法の温度差を小さくするために、自分で考え問題を解決して行ける能力を身に付けさせる。  

世間に情報が溢れている今日、情報とのうまい付き合い方を指導する必要がある。全ての情報が正しいものではないので、それを見極める目を学校教育の中で養わなければならない。  

少子化や核家族化、地域関係の希薄などの影響で、現代の子供は学校が唯一の集団生活の場となっている。生活をしていくのに最低限必要な社会性を養うために、学校で他学年との交流、地域で他世代との交流をする機会を増やしていく。  

最後に、進路について十分に考えられるように必要な情報を教える。社会の実態を知り、自分の進みたい道を見つけ、そのために何をしなければならないか考える機会を与える。 

これからの教育は、基礎学力の充実・自立した学習・個性を伸ばす教育の3本柱が相互に助け合っていくべきである。今までの知識偏重型の教育から脱却し、新しいバランスのとれた教育へと根本から変わっていかなければならない。  

私は考える力を徐々につけさせる「くさび型の教育」が必要だと考える。これは一方的な受け身教育から自立した教育へ、知識の蓄積を重視する教育から知識の活用を重視する教育へと、子供たちが小学校から高校まで学年を上がるごとに変化していく教育システムである。  

小学校では基礎学力の充実に力を入れる。高学年から総合的な学習の時間を有効利用して、自立した学習を取り入れる。中学校では自立した学習を身に付けつつ、個性を伸ばす教育を取り入れる。高校では社会と接する機会と進路について考える時間を与える。

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