雨宮勇徒の研究室危機管理[南海トラフ地震対策・原子力]

身近な爆発物2

以前書いた身近な爆発物から約10年ほど経ちました。最近起きた爆発関連事件について書いていこうと思います。

このページには爆薬の製造法は書かれていません。爆薬は非常に敏感なもので、取り扱いは非常に難しいものです。自作して重症になるケースは少なくありません。ネットの不正確な情報を真に受けないようにして下さい。

靖国神社 爆発音事件

2015年11月23日午前10時ごろ、靖国神社のトイレで爆発音が発生。トイレの天井に穴が開き、屋根裏から4本の束ねた金属製パイプやデジタル式のタイマーが見つかりました。

この犯人は、同年12月9日に再来日して逮捕された際にも、黒色火薬を含む爆発物約1・8キロやタイマーなど、靖国神社で見つかった不審物と同様の物品を持ち込んでいました。

この事件では爆発が起きただけで人的被害は出ませんでした。公共の場で爆発が起きた以上に恐ろしいことは、飛行機で爆発物が持ち込まれたという事実です。上空で爆発を起こす可能性もありましたし、もっと大量の爆発物を持ち込み大惨事が起きた可能性もあったのです。

爆発物の原料の販売

身近な爆発物でも書いたように、爆発物の原料となり得る化学物質は薬局やホームセンター、インターネットで簡単に買えます。特にインターネットでは実際に顔を合わすこともなく大量購入も可能になっています。また爆弾の作り方、爆薬の製造法もネットで簡単に手に入り、実際に爆発物を作った事件も多くあります。

そこで現在では、国内外の爆弾テロ事件・爆発物製造事件において爆発物の原料に使用されたことがある11品目については、販売時に購入者の住所・氏名、使用目的を確認・記録することになっています。その11品目は、『硫酸、塩酸、過酸化水素、硝酸、塩素酸カリウム、塩素酸ナトリウム、尿素、硝酸アンモニウム、アセトン、ヘキサミン、硝酸カリウム』です。

これらの薬品が盗難にあうケースもよくあります。最近では高校の化学準備室が荒らされ、硫酸や硝酸などが盗まれた事件がありました。(都城の高校で化学薬品盗難、硫酸・硝酸など2016年01月07日読売新聞)

爆弾テロに使われた爆発物

最後に近年の爆破テロ・自爆テロで使われた爆薬の種類を列挙しておきます。

ニューヨーク連続爆発事件(2016年):圧力鍋爆弾

バグダッド爆弾テロ事件(2016年):車爆弾(新型爆薬、焼夷弾)

ベルギー連続テロ事件(2016年):TATP(過酸化アセトン)

パリ同時多発テロ(2015年):TATP(過酸化アセトン)

バンコク爆弾テロ事件 (2015年):TNT(トリニトロトルエン)

トルコ・アンカラ自爆テロ事件(2015年):TNT(トリニトロトルエン)と金属片

ボストンマラソン爆弾テロ事件(2013年):花火の火薬(圧力鍋と金属片)

バリ島爆弾テロ事件(2002年):C4(プラスチック爆弾)など

バリ島爆弾テロ事件(2005年):TATP(過酸化アセトン)など

ロンドン同時多発テロ(2005年):HMTD、TATP(過酸化アセトン)など

オクラホマシティーの連邦ビル爆破テロ事件(1995年):ANFO(硝安油剤爆薬)

日本でもサミットやオリンピックなど世界から注目される行事が開催されます。とくにその時期はテロを警戒すべきでしょう。

ANFOやTATPは比較的手に入りやすい薬品で簡単に作ることができることで有名です。日本国内ではこれらの薬品が11品目に含まれているので、入手を未然に防ぐことが期待されます。

爆弾テロの形態としては、過激派思想を持つ宗教的な理由の自爆テロや、匿名の単独または少人数グループが、日常的に政府または特定の標的に対して攻撃する「ローンウルフテロ」などがあります。昔は特定の施設や人物を狙うケースが多かったが、今は無差別テロが主流になっている。

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(2016/01/08) クリマラ